詩
コップ一杯飲み干して目から海水流れたら私の来世はラッコです
日頃の行いでお給料が決まったら、わたしは億万長者か文無しかのどちらかだな わたしはきっと億万長者だなって思っちゃった時点で文無し決定だけど、お慈悲の30円でセコイアチョコレートを買います お給料30円 戒名は一文字
白鳥の羽で包んであげたくなるようなアクアマリンを胸の上で組んだきみの手に握らせた。そして、そっと舟を押せばすこしの水音をたててきみをのせた花舟は蓮の花を揺らしながらゆっくりと進んでいく。膝まで浸かった川の水は冷たく底の泥はさらに冷たい。東へ進む花舟が私よりはやく朝日に照らされる。
真っ赤な嘘はサクランボのシロップ漬けの味がするってずっと思ってるよ
月の引力に引っ張りあげられて宝石たちは星を眺める 瞬きは別れのあいさつ 同郷の友の死 燃えかすになったぼくらは漂い、さすらい、吹いて消える もう一度みんながひとつの小さな塊になるまで カチリカチリと微かに泣いて待っている
冬季は消灯している誘蛾灯 午後十時二十分 ジジ、ジ、という音は一体何を焼いているのか
アイスブルーの軟膏塗って桜の下を行きましょう。はやとちりの牛乳売りが、赤い入れ物ガタガタ揺らし下駄をころころ走っていけば、桜舞い散る墨田の川で泥眼女が泣いている。うっかりもう四番目かと慌てて戻れば、翁舞う舞う桜の嵐。男も女も狂も鬼も、桜にかすみ神に散る。
ひとを騙したので、わたしは罰を受けるでしょう。高くなり始めたお日様が、首をかしげる午後一に、ご近所に咲くノウゼンカヅラ、そっとこの首、
詩