短歌
随時更新します
紺色の風に今夜も出し抜かれ月がいるなら孤独は嘘さ
きみの眼にうつる金星美しくぼくの宇宙はほどけて消えた
彗星が不時着したよ湖に月がくすくす雲に隠れた
レコードが死んだあなたの声聴かす針は上がったままだと気づかず
灯台の光の橋を渡ってさ夜から朝を迎えにいこうか
フレッシュなイチゴのパウダー振りかけて浮かべてみましたそれが火の星
甘栗が小さな脳に見える日はマッドサイエンティスト日和
さよならの瞳奥底アメトリン明けの空は夜露でひかる
氷越し 私の前世は金魚だと笑うあなたに赤いひれ
ゆがんでる 可愛いきみのその顔がやっぱり見慣れたお久し振りね
薄暗い誘蛾灯に身を捧げ焦げもせずただ鱗粉ひかる
しわちゃけたグリーンピースを噛みつぶす乾いた地球の味はかすかに
流星は落ちないそんな戯言を歌ってあなたはどこまで落ちた
抜けた歯が真珠にかわるこの夜に冠婚葬祭あの世の灯
月光が照らすバス停白い鳥迎えは来ないと嘴濡らす
桃缶を食べて熱の日思い出すポカリ、ゼリーと遠くのテレビ
あかぎれの命の色を見せながら笑うお前を毛布でくるむ
潤滑油バラン添え物ドラセナと錆びた歯車青き日の嘘
ぬるま湯と言われた僕の青春は痛みも温度も嘘に思えて
熱帯の植物並べたベランダが墓場のようだと木枯らしは泣く
決められた時間に薬飲むきみが祈っているのか瞬きをする
かぐや姫失い続けて何千年三日月模したパンを頬張る
短歌