美少女戦士セーラームーン改変案 セーラードリーム
2019年作品
第1話
朝、東京、外環線あたりのJRか私鉄の路線。わりと混んでいる車内。うさぎ、「もう~遅刻しちゃうよ~」といらいらしてつり革につかまって立っている。と、席が空いたので「ラッキー」と座席に座る。横はおじさん、逆側には衛がサングラスをかけて座っている。その横には眼鏡をかけたおばあさん。と、その護が居眠りをしているらしく、うさぎの方に傾いてくる。「んんもう~」とうさぎ、肘でどかすのだが、衛は起きない。今度はおばあさんの方に傾く。うさぎ「あんたは、こう!」と衛の顔を正面に無理やり戻す。それでも起きないので、頭をたたく。起きる衛。うさぎ「ちょっとあんた、おばあさんが困ってるでしょ。ちゃんと起きてなさいっ!」おばあさんとりなして「いや・・・・私はね・・・別にいいんだよ・・・・。」車内にいた親友のなる「あ、あの大声うさぎちゃんだー。」衛「いやあ、ごめんね。つい夢が見えちゃって。」うさぎ衛の前で仁王立ち風に「まっすぐ前を向いて寝ることね。」衛頭をかき「はは。恐いな。」親友の子「うさぎちゃん、注目の的だよー。早く行こう行こう」とうさぎの背を押し出す。
タイトル、OP
うさぎ、私立十番中学の授業中。ちょっと居眠りをしている。「月野うさぎさん。」と、教科書で教師に頭をたたかれる。「ふぁい。起きてマース。」寝ぼけたうさぎ。どっとクラスメイトに笑われる。放課後、親友のなる、うさぎに「うさぎちゃん、演劇部の台本のことで隣の中学の女の子たちが、マジバで会いたいって。」うさぎ「他校との合同演劇祭のこと?」なる「そうだよ。台本の訳詞できたんだって。」うさぎ「ラッキー。マジバに行けるのならいいよ。」なる「もう、うさぎちゃんって花より団子ね。」マジバで会っているうさぎ、なると私立TA中学の水野亜美と火野レイ。二人はセーラー服の学生姿、うさぎたちはブレザー姿。亜美「はい、これね。」台本のコピーの入ったファイルを渡す。レイ「亜美ちゃんもさすがに英語以外では訳せなくて、大学生の雄一郎さんに頼んだのよ。」うさぎ「雄一郎さん?お知り合い?」なる袖を引き「ちょっとうさぎちゃんっ。」レイ「あ、ああ、知り合いね。」うさぎ気まずいと思って話題を変える。うさぎ「TA中学はセーラー服の学生服なんですね。」レイ「あ、そうね・・・。ちょっと古臭くて。」うさぎ「そんなことないない。すごく素敵。うちのおばあちゃんも学生服はセーラー服だったの。♪かーもーめーのセーラーさんってよく私の子供のころによく歌っていたんだよ。セーラー服のセーラーってかもめのことだよね?」レイ「かもめ?」亜美困惑して「あ・・・・ああ、そういうメーカーの学生服もあるわね。セーラーというのは、水兵のことね。それは♪かーもーめーの水兵さんっていうのが正しい歌よ。」なる「そんなことも知らなかったの?」うさぎ頭をかき「え・・・・あ、そう覚えていたもんで。」亜美「水兵には、水兵リーベ僕の船、という言い方があるわ。」うさぎ「水兵・・・・な、なんの呪文?」レイ横から「中学校で習うでしょ。元素記号の暗記方法よ。」うさぎ「え・・・・ええー・・・。知らない・・・・。」なる小声で「ちょっともう、うさぎちゃん。授業聞いてないし・・・・。」うさぎ「へへ、すいません・・・・。」顔を見合わせる亜美とレイ。亜美「月野さん、役の方お願いできるのかしら?セリフの暗記、大丈夫?」うさぎ「がんばりまーす。」
帰り道、うさぎ「♪かーもーめーのセーラーさん、かーもーめーのセーラーさん」と歌いながら歩いている。夕日に一人うさぎ「間違っていたっていいんだ。私にはこの歌詞の方が・・・・。」と少しつぶやく。と、夕焼け空に握りこぶし「えいっ、元気ないぞ、月野うさぎ。失敗ばかりだったけど、明日はがんばるぞ。」家に入る。うさぎ「ただいまー。」母親「おかえりなさい。」猫のピートが「にゃあ」と言って出迎える。うさぎ抱き上げて「ピート、元気してた?」母親「うさぎ、ダイニングにスマホ置きっぱなしだったわよ。あなた学校には持っていっちゃいけなくても、きちんとしまっておかないとだめじゃない。せっかく買ってもらったんだから。」うさぎ「はーい。」スマホを持って階段をあがる。夜、風呂上りでうさぎ部屋に入ってスマホをかざして。「じゃん。新しいスマホ、だもんね。そうそう、アプリで今日の星座占いっと・・・。」スマホでアプリなど見るうさぎ。体重などをチェック入れる。アプリのアバターのキャラでハローキティみたいなものが「うさぎちゃん、ケーキ食べ過ぎ!」とか吹き出しで言う。うさぎ「あれ、これなんだろ?なんのページ?」ラインの画面のあと、妙なページが表示される。アイドルのアニメキャラの画面。「なになに・・・あなたは2000番人目のアイドルに選ばれました・・・・。なんだろ?これ?あ、なるちゃんに電話して聞いてみよう。」うさぎ、電話機能でなるに電話する。なるちゃんのひっくりがえった声「うさぎちゃんっ、それ、キャッチメールよ。絶対にクリックしちゃだめだからねっ!もう、あんたって人は・・・・。」がみがみと言われてうさぎ耳つん。うさぎ「はい・・・わかりましたぁ。絶対にクリックしません・・・でもなんだろうこれ。アイドルねぇ・・・。」うさぎ天井を見上げて「アイドルなんてあたしには無理だぁ。演劇部で劇するだけで精一杯だもんね・・・・おやすみぃ。」と、枕元のスイッチを消して布団で寝る。そのうさぎの額にピートが降りてきてぴとっ、と手を置く。
夢の中。うさぎ、たくさんの人々に拍手で迎えられている。うさぎ「え・・・ぁ、なんだここ?演劇部の舞台?それにしてはお客さんが多い・・・。」うさぎちゃーん、う・さ・ぎーとかの掛け声も聞こえる。と、スポットライトが当たる。衛、プロデューサー姿でサングラスで「おめでとう。君はセーラー戦士に選ばれたのだ。君は今日から我らのアイドルだ。」うさぎ「え?あんた・・・なんか見覚えが・・・・。セーラー戦士?あ、なんだ?」うさぎ自分の恰好に驚く。セーラームーンの設定の服装になっている。うさぎ「なにこれっ、短いー!」と言ってミニスカートを抑えてしゃがみこむ。衛「恥ずかしがることはない。君はTA中学のセーラー服に憧れていた。その君の願望を具現化した姿だ。もっとも願望の強い姿こそ、この世界では自在に動くことができるのだ。」うさぎ指さし「嘘だぁ、私はそんなことを言った覚えはないぞっ!おまえはなんだー!」衛「ではさっそく戦ってもらおう。アイドルとして。」衛の背後に何か巨大な怪物が現れる。仰天したうさぎ「アイドル?アイドルって歌うんじゃないんですか?」衛「歌は君は下手だから、戦う方をやってもらうよ。かもめの水兵さんも間違えて覚えているぐらいだからね。」うさぎ「い、イヤミなやつっ。」衛メガホンで「うさぎ、戦えっ、アイドルとして!」戦隊ものみたいな展開。衛「いいぞ、空手みたいに戦うんだ。蹴ろっ!足蹴りしろっ!」うさぎ「ハーッ!」とプロレスみたいな技で戦う。ラスト、苦戦するも衛の「いまだ、ムーンアクションだ!」という掛け声でうさぎ「あっ、これっ?」と言って必殺技。怪物が大爆発する。爆発煙の炎を背景に歩いてくるうさぎ。衛「よくやった。君はこれからセーラー戦士として・・・。」と言いかけた、衛の差し伸ばした手をぱしっとはらううさぎ。うさぎ「あんたの思いどおりになんかならない。私はアイドルじゃない。」衛「まあ今はそうだろうが・・・・君はこれからこの世界で戦っていくことになる。僕も協力させてもらうからな。」うさぎ「お断りします。」衛笑って「そう言うんじゃない。期待しているからな。」と、肩に手を置いたところで、世界がゆらゆらと海メガネみたいにゆれて消えていく。
うさぎ「・・・・アイドル?なんじゃそりゃ?」とひどい寝相で目を覚ます。「変な夢見ちゃったなあー」と起き上がって目をこすりこすりする。そのころ、冒頭の電車にいたおばあさんが(うさぎの祖母とは別設定)が、布団で「ああ・・・、ウルトラマン・・・・もっと・・・!」と寝言をむにゃむにゃと言って手を伸ばしているシーン。
朝、登校しているうさぎ。電車の車内。なる「おはよー、うさぎちゃん。昨日はよく眠れた?」うさぎ寝ぼけた目で「あ・・・変な夢見ちゃった。ちょっとよく眠れなかったかなー。」なる「そうだね。現代人の不眠症は問題だからね。」うさぎ「なるちゃん、難しい言葉知ってるね・・・。」なる手を口に当てて「あれ?私今なんか言った?」うさぎ「うん、なんか言ったけど、私もよくわかんない。」なる「今日の英語の宿題ねー。」とか言っている。その二人から少し離れたところで、衛、新聞で顔を隠しながら様子をうかがっている。衛モノローグ「戦士としての素質は十分だが・・・彼女はこの先戦ってくれるだろうか・・・。いや、迷ってはいけない。彼女こそがその夢座標の人間なのだ。」そのころ、うさぎの部屋の机の上に置かれたスマホがぱっと電気が入り「おめでとう、うさぎちゃん。アイドルにまた一歩近づいたね!」と画面表示されて、ED。好みで山下達郎さんの「夏への扉」ワンコーラス。
第2話
広い室内プールでスクール水着で泳いでいる水野亜美。ちょっと苦しそうに。金時計で時間を測っている執事みたいな男性。執事「亜美さま、お時間です。」亜美「すぐに行きます。」プールからあがる亜美。時間は昼過ぎから夕方ぐらい?
場面変わってテレビ画面。うさぎ、自宅でテレビを見てポテチをぱりぽり食べている。テレビのCM「サラリーマンケントは一分間でスーツを蒸着する。これを飲めば、あなたも夢のスーパーマンに!眠気覚ましに、ミクロイドZ!」アメコミ調の動画。筋肉質の男性が笑ってポーズ。うさぎ「スーパーマンかぁ。あれそんな感じのデザインだったかなあ・・・・。」ピート「にゃあ」うさぎ「あれから夢は見ないけど、あんなハラハラドキドキはもう二度とないのかなあ・・・・。ちょっと残念だったりして。なんてね。」ピート「にゃあ」母親「うさぎー。角の新しくオープンしたお店行ってきてくれないー。」うさぎ「なになにー。」母親「ほらこれ。無料で配ってくれるんだって。」横に来て広告を見せる。うさぎ「試飲会?あ、これさっきの広告のやつだ。」母親「ただでくれるそうだから。お父さんにも飲ませたいから。」うさぎ頬をぽりぽりして「う、うーん。めんどくさいなあ・・・。」ピート「にゃあ?」
タイトル、OP
最終話
衛「かもめのセーラーさん、か・・・・その歌、人類初のロシアの女性宇宙飛行士が『私はかもめ、ヤー・チャイカ』と言ったんだよ。それを思い出すな。」うさぎ「そうなんだ。でも宇宙まで行っても、私は私だよ。私は夢の世界でだけセーラー戦士なんだもの。なんにも変わらない。」うさぎ、そこでもじもじして。うさぎ「あのね、あのね、まもちゃんはもう未来に帰って、ここには居れないのかなあ・・・・。」衛「まあ俺も俺の上司にかけあってみるが、未来人は原則的にこの時代にはとどまれないんだ。仕事だからな。」うさぎ「ピートも帰るの?」衛「ああ。」うさぎ、そこで感極まって。うさぎ「そんなのやだよ!まもちゃんとはもう、会えないなんて・・・・そんなのやだ。」衛「うん・・・・未来になったら会えるさ。」うさぎ「どれぐらい?」衛「君が大人になったらな。子供に手を出すのはよくないからな。君はまだ中学生だ。」うさぎ「私もう大人だもん!セーラー戦士になって、みんなのために戦ったんだよ!まもちゃんにだって、それはわかっているでしょう?」衛「そうやって怒るところが、まだ子供なんだよ。」うさぎ「ひどいよ、まもちゃん。」衛「俺のことは、待たなくていい。君が覚えていてくれたら、また会えるさ。」うさぎ「それっていつ?」衛「覚えていたら、だ。ピート、来い。」ピート「にゃあ」うさぎ「まもちゃん!」衛、ピートを肩に乗せると、ばいばいと手を振って空の光の中に消えていく。うさぎ「まもちゃん!いなくなるなんて、やだ、そんなの、やだ、やだよう・・・・。」衛を追って、駆け出して大声で泣いているうさぎ。静かな夜の港の公園。
うさぎナレーション「まもちゃんがいなくなってから、三年の月日が経ちました。私は高校生になり、今日卒業します。」卒業式、「隅田川」をみなと詠唱しているうさぎ。「♪のぼりくだりのふなびとが~」の一節。うさぎナレーション「まもちゃんがいなくなっても、毎日は同じようにすぎて、やっぱり私は笑えたり怒ったり・・・・。友達と楽しく過ごしていて・・・・。まもちゃんがいたことを、時には忘れそうになります。あれは、一生分の恋なんかじゃなかったのかもしれない。でも。」うさぎ、なると一緒に中華街で買い食いをしたカットのあと、横浜の湊大橋に来ている。うさぎナレーション「町中で、まもちゃんに似た人を見かけたら、つい目で追ってしまいます。最初に電車で見かけた時のように。まもちゃんはもういるはずはないのに・・・・。」なる「いい天気だね。」うさぎ「うん・・・・。」なる「大学生になっても友達だよね。」うさぎ「もちろんだよ。なるちゃんにはいろいろ世話になったし。」なる「そうそう、うさぎちゃんていつもほっとけないからね。でもこんな風に横浜には何度も遊びには来れないかもね。」うさぎ「そうだね。」と、その時橋の前の公園で、銅像にもたれかかって寝ている男を発見。新聞を乗せて顔を隠している。衛だ。うさぎ、目が丸くなってから、涙が極まって。うさぎ駆け寄り抱き着いて叫ぶ。「まもちゃん!」衛、笑って、二人抱き合ったところで、終幕。二人の周りに天使のように飛び上がるかもめの群れ。ED、「夏への扉」フルコーラス。
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