個性

どこからかノックが聞こえる
壁に響く規則正しい音
どうかもうほっておいて
かすかに聞こえる雨の音
眼を閉じて暗闇へ

誰がどうした自分は自分
他のヤツは関係ない
それなのに比較される
あの子は、お前は、どうして?
知らない、いらない、勝手な評価

貼られたレッテルで気がそれる
あの子は、僕は、どうして?
いつの間にかはじまった自身の比較
僕は、あの子と、何が違う?

個性という自分が壊れた

内側から音も立てずに徐々に崩れて
外側からのダメージがさらに拍車をかけた
崩れていく自分、失っていく自分
震える手と顔に張り付いた笑顔で気付いた
もう嫌なんだこれ以上、僕が僕でなくなるのは

どこからかノックが聞こえる
胸に響く不規則な音
どうかもう起こさないで
かすかに聞こえる声の雨
眼を開けて光の中へ

そんなに泣くなら
はじめから僕を認めてよ

個性

個性

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-04

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