ゴールはコーヒー
北の方には何があるのだろうと考えながら
今日は西の方へ行ってみる
いつも狭いところにいるのは
こういう時臆病にならないためだ
一年住んだ街は
そんなに多くを語らない静かな都会
古木のテーブルに肘をつき
余裕のある表情で遠くからこちらを見ている
手招きをする方へは行かないけれど
くすんだ革靴とスニーカーはいつも見方をしてくれる
通りすがりに明かりがついたカラスの家
豆を挽くにおいは真新しい
木の香りがするパイン材のテーブルで
焼きリンゴといちじくワインをいただいた
ゴールはコーヒー