空と雨


青い青い四角い空
指で描く四角い線
つないで切り取る
小さな僕だけの世界

このまま見上げていたら
きっと降らない僕の雨

流れる雲が重なって鈍色に染まる
ざわめく胸が苦しくて
僕は少し俯いた

きらりきらり光る星
淡く滲んだ四角い線
そこから破けて溢れた僕の雨

押し寄せる黒い不安や絶望
閉じ込めた赤い怒りや本音
叫びだしたい衝動を抑えたら
僕の中で混ざって騒ぎ出すから

気持ちが悪くて泣いた

こんな醜い僕を誰にも見せたくなくて
小さな僕だけの世界で膝を抱えてひっそりと

ただただ泣くんだ

そんな僕を白い月だけが知っている

空と雨

空と雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-30

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