遭難

何だか懐かしい 景色が目に沁みた時
何とか夏の影に 隠れて一命を取り留めた
そこで偶然 出会った君のことなんて
もう半分 命の恩人の 君を 
忘れかけていたよ 

おおい 久しぶり
青い 空に手を振る
淡い 照れた素振りで
赤い 顔をした 

君が好きだよ
だけど過去に佇んだ君はきっと
そこの方が居心地が良いんだろう
分かってる 何も言わなくても

何だか悩ましい 現実に飲み込まれた時
何とか君の船に 乗れて一命を取り留めた
そして僕は 揺れて落ちる君のことを
そのまま 吸い込まれていく 君を
じっと見つめていた

おおい 久しぶり
青い 空に手を振る
淡い 照れた素振りで
赤い 顔をした 

君が好きだったよ
だけど君がすきなのはきっと
病んでいる自分自身だろう
だからずっとそこで
何かを待ってる ずっとずっと泣いている

遭難

遭難

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-18

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