道を外れた四十路の俺

道を外れた四十路の俺

くたびれた顔をする前は
これでも期待してたんだよ
どうにかなるんじゃないかって
子供だった頃は生き生きしてて
未来ってものが明るく見えた
今どうだ 俺に顔向け出来るか

昔 遊んでたやつらは
皆 立派に結婚なんてしちゃって
幸せなんかいらないって
言ってたやつが子供の手をひいてたよ
ひとりぼっち 俺に実に似合う言葉だ

かわいそう 同情なんかされたかねえ
いつも笑ってるコンビニ店員 何で不貞腐れてんだ
最近じゃ 占いも天気予報も信じてねえ
夜遅くまで 意味も無く携帯の液晶を見つめて
目が悪くなってる 未来もぼやけてる

酒飲んでる 若い奴ら嫌なことなんてあんのか
今日は忘年会か 楽しそうじゃねえか 良かったな
学生の頃 好きだった奴らも皆老けたなあ
俺をずっと 守ってくれてた両親も死んだよ
俺の近くにあるのは 見たくない現実だけ

時計の針も地球も
あれから何回回ったんだ
俺の知らないところで
随分と時間が進んだなあ

神は死んだか
君は死んだのか
俺が死ぬのはいつだ

道を外れた四十路の俺

道を外れた四十路の俺

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-18

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