君の捨てたゴミを僕は拾った

君の捨てたゴミを僕は拾った
ポケットは宝物があふれた

君の顔が映った写真は
くしゃくしゃになっていた

変わらない様に見える
世界の中で
君だけは刹那に
まざまざと変わっていった
そんな光景から目を逸らした
そんな僕だった

君の捨てたゴミを僕は拾った
ポケットはゴミがあふれた

あの時宝物だったゴミは
価値の無いものになっていた

それでも寂しさを
埋めるように
僕は夢中になって
ポケットにゴミを詰めた
そんな事をして君を懐かしんだ
そんな僕だった

ある日
綺麗な青空の下で無我夢中に走ったら
ポケットが勢いよく破けた
ぎゅうぎゅうになっていた
思い出の欠片や破片が
空中に飛び散ってばらばらになった
そうして僕は好きだった
君の過去を失ってしまった

もうこの街には居ない君を
今はただ思い出すよ
だけど明日には忘れるよ
今に止まらず変わっていくよ
最後に嫌いだった君の真似をした
そんな僕だった

君の捨てたゴミを僕は拾った

君の捨てたゴミを僕は拾った

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-18

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