死に遠い日々

限りなく死に遠い日々の中で
僕は生きていたいと歌を歌う
既にこの世に居ない君を
あの空に思い浮かべている

限りなく透明に近い青春の中で
僕は確かに君と生きていた
それは間違いでは無いことを
色んな思い出が証明してる

ねえ この歌は君が聴いてくれなきゃ
もう 仕方が無いんだよ
君の事を想って創ったこの歌は
君以外の誰に聴かせたって
何も 分かるはずが無いんだ

ねえ 街には明るい歌が蔓延してるから
もう 何処にも行かないよ
だから安心して この歌を聴いてよ

当たり前に過ぎる月日の中で
僕だけここに取り残されていく
二度と会うことの無い君を
白い紙に思い描いている

何もなく終わる一日の中で
僕は確かに君と生きていた
いつ死ぬかなんて考えないほど
その時間が幸せだった

ねえ この歌を僕が歌っていなきゃ
きっと 君は成仏できないよ
何もかもを捨てて君の元へ
今すぐに行きたくなるよ
今だって 少し浮き足立ってるんだ

ねえ 街には明るい歌が蔓延してるから
もう 何処にも行かないよ
だから安心して この歌を聴いてよ

そしてしばらくしたら 天国へ行ってよ

死に遠い日々

死に遠い日々

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-18

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