充電率五十七パーセント
自由律短歌十首
眠剤は溶けて
もう少し わたしを書き残したい
今日の余命に
充電率五十七パーセントなら土曜を生きられるだろうか
恍惚の朝焼けに
わたしが見える
意味はいらない
わたしが見える
「憂鬱はある意味リルの才能だよね
ブルーちゃんって名づけるの」
行き交うひと 皆
手のひらに握り隠して消えていく かれらの日を
時々きれいで
やっぱり寂しくて
寂しさもきれいで
ゆっくりと
あなたがくれる
夢が くるると
帯びたあと
こころを
まっすぐに 悟る
愛しくあなたは嘘をつく
永遠は
わたしの心臓 眠るまで
命懸けに追いかけていた
呪縛を追いかけていた
声
影も
無く
気鬱
レボトミン
夏のおと 聴く
小さなここでいい
月の斑点
充電率五十七パーセント
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich