人狼ジャッジメント

人狼ジャッジメント狩人マイク編です。
登場人物
エマ
サンドラ
ローラ
アンナ
スーザン
マリアンヌ
エリック
クリス
マイク(狩人)

どの人物がどの役職なのかは
読んでからのお楽しみ。

~狩人マイク編~

(もう何時間歩き続けたのだろうか。手足が悴んでいる。随分と山奥に来てしまったため引き返すことも出来ない。)

マイク「はぁ…さみぃ……っ。屋敷…」

(何も考えず屋敷に入る。ただ、がむしゃらに。屋敷に入れば大量の食べ物とあたたかい暖炉。ようこその文字。この時はまさかあんなことになるとは思わず不審にも思わなかった。)
助かった……にしても、何人もいるんだな……
(途端屋敷じゅうにGMと名乗る人の音声が響く。人狼ゲームが始まるという。その説明だった。)

GM「皆さんこんにちはゲームマスターです。今から皆さんには人狼ゲームをしてもらいます。カードをお引き下さい。」

マイク「は?出来るわけねぇだろ!?なんでわざわざ命かけるんだよ。」

(怒鳴る俺をみんなが見る。ちっと舌打ちをし、)

マイク「カード引きゃいいんだろ?」

(カードを引きそのまま部屋に向かう。部屋に行けば猟銃と弾が置いてある。)

マイク「これで夜守ればいいんだな。にしてもリアルだなただのゲームなのに。」

((何も考えずそのまま眠りにつく。モブ爺の遺体が見つかるまであと6時間))


~1日目~

”きゃああああああああ”
(誰かの叫び声で目が覚める。広間からのようだ。眠い目を擦り猟銃を手に取る。それは昨日置いたままそこに置いてあった。)

マイク「ただのゲームに叫び声。いるか?そんなの。」

(広間に行けば皆は既に集まっており、一気に全員の視線が向けられた。)

アンナ「貴方昨日怒鳴ってた人よね。殺したのは貴方でしょ!?」
サンドラ「朝遅かったのはなにかやましいものを隠していたからに違いないわ!!」
マイク「は?ちょっとまて、何の話だ?」
スーザン「とぼけてんじゃないわよ!あんたがやったんだろ?」

(皆が一斉に俺を見る。皆の後ろに目をやれば、昨日酒を飲んでいた爺さんが血を流し倒れている。)

マイク「え…?」
スーザン「え?じゃないわよ。」
ローラ「まぁ、まず落ち着きましょう。」
マイク「ほんとに知らねぇんだよ。第一、俺は今来ただろうここに。」
エリック「あの話の途中ですみません…その人は違うかと。」
アンナ「どういうこと?説明しなさい」
エリック「実は私は占い師で彼を占いました。結果彼は人狼ではない…と。」
クリス「何言ってんだ?俺がホントの占い師だ。占ったのは銀髪のねーちゃん。結果人狼ではないってよ。」

(占い師2人の登場に辺りは困惑しおれにうたがいをかける以前の問題となった。話し合いは終わりを告げようとせず続いている。こんなに一日が長く感じたのは初めてかもしれない。霊能者と名乗るものまで話し合いに参加し、今日吊るす人を決めていく。)

アンナ「……なら、私は彼女を吊りたいわ!」
エマ「ひっ!?なんでよ!!死にたくないよ!?」
マリアンヌ「みんなそういうのよ!」
エリック「わたしも賛成ですね。話に入ろうとせず防寒してる様子が怪しく感じましたし。」
エマ「違う!!私じゃない!!ならあの人だって!」

(そう言って彼女は俺を指さした。さっきまで好き勝手言ってた奴らだったが人狼じゃないと今現在出てる以上、吊り位置ではないと口々に言う。)

エマ「どうして…私じゃないのに…」

(そう呟き涙を零す彼女をもう誰も見ようとはしなかった。GMの声が脳裏に響く。部屋が暗くなり拳銃の音が鳴り響く。部屋に明かりがつけば、そこには頭から血を流し倒れているエマの姿があった。)

GM「それではお部屋にお戻りください。
また明日まで生き残れればいいですね。おやすみなさい。ふふふ」

(泣きながら部屋に戻る遭難者達。俺も静かに部屋に戻る。部屋に戻れば自分の役職を再確認させられる。)

マイク「俺が夜だけでも守ればいい。」

(猟銃を手に取り部屋を後にする。ある人の部屋の前に座り込み人狼から守れるよう目を凝らし真っ暗な廊下を睨みつけた。)


~2日目~

”皆さんおはようございます”
(広間で何人かの声が聞こえる。一睡もしなかったわけか。俺が見張ってる間この部屋は特に変わった様子はなかった。猟銃を手に取りふらふら部屋に戻る。顔を洗い軽く髪を整え広間に向かう。途中どこか血の匂いのする所があった。)

マイク「え、…?何だこの匂い…」
”トントン”
マイク「失礼するぞ?………うそ、だろ?」

(そこには変わり果てたローラの姿があった。広間まで駆けていく、そして来る途中での話を皆にする。昨日は誰よりも早く起きて、朝ごはんを用意してくれていたのにおかしいと思った。そう言って泣いていた。)

エリック「お取り込み中すみませんね、占いの結果をお教えします。結果から言うとマリアンヌさん。あなたは人狼です。」
クリス「俺は悪い、ローラを占って人狼じゃないと出た。」
アンナ「なるほど…。なら今日は貴方を吊りますマリアンヌさん」
マリアンヌ「私が殺される…と。嫌に決まってるではないですか!それこそ私が人狼だなんて確信どこにあるんですの?」
アンナ「占い結果こそが全てです。私達は占い結果以外信じることが出来ません。」
マリアンヌ「っ…。その人が偽物である。私の中では確定しています。考え直してください!」
アンナ「それは出来ません。」
スーザン「あんた。騙してたのか。俺を。」
マリアンヌ「違っ!!」
スーザン「悪いが今のあんたを信用できるほど優しい人間じゃないんでね。悪いな。」
マリアンヌ「そん、な…」
サンドラ「貴方が人狼さんなのです?わたくし怖いですわ…」
アンナ「ということです。先程から黙ってますが、何か言いたいことあります?」
マイク「特には。」
アンナ「ならいいですね。本日は、マリアンヌで。」

(嫌だと涙を彼女を誰も見ようとはせず、ただただGMの声が脳裏に響く。部屋が暗くなり拳銃の音が鳴り響く。部屋に明かりがつけば、そこには頭から血を流し倒れているマリアンヌの姿があった。)

GM「それではお部屋にお戻りください。
また明日まで生き残れればいいですね。おやすみなさい。ふふふ」

(また泣きながら部屋に戻る遭難者達。俺もまた静かに部屋に戻る。部屋に戻り頭にはある人が浮かぶ。)

マイク「あいつを絶対守り抜く。今日は。」

(また猟銃を取りある人の部屋の前で座り込み人狼が来るのを息を殺して待っていた。昨日とは何か違う空気を感じる。きた。奴だ。すぐに立ち上がり猟銃を構える。深く帽子を被り顔を隠す。)
”バンッバンッ”
(ちっと、軽く舌打ちが聞こえた。その後奴が現れることは無かった。)


~3日目~

”トントン”
(寝ていると肩を軽く叩かれ目が覚める)

アンナ「ここで何してるの?ここ私の部屋の目の前の廊下なんだけど?後、手に持ってるのは何…?」
マイク「…。後でわかる。ここでのことは絶対だ。いいな?絶対誰にも言うなよ?」
アンナ「分かった。まぁ、早く来なさいね。」
マイク「ん。」

(そう歩いていったアンナの顔はどこかスッキリしているような気がした。そのまま準備を済ませ広間に向かった。)

アンナ「あら、?みんないる!誰も死ななかったんだ!!!良かった!!!」
サンドラ「安心ですわ…!」
スーザン「それは良かった。」
マイク「それで各々結果は?」
クリス「まず俺から。サンドラは人狼だ。」
サンドラ「ひっ…!?違う!!わたくしではありません!!」
クリス「占いの結果にお前が人狼と出ている。」
アンナ「なるほど。次はエリックさん。」
エリック「私はクリスさんを占いました。」
アンナ「どうして?」
エリック「私に占われていなかった人の中にそんなに怪しいと思った人がいなかったからです。マリアンヌさんが指定された時、スーザンさんはマリアンヌさんをしっかり突き放していました。そこからもしかしたら占い師に人狼がいるのではないか…と。」
アンナ「なるほど。分かった。ちなみにマリアンヌは、人狼でした。狩人さんはないすです」

(アンナはそう言うとこっそり俺に目を向けウインクをした。)

アンナ「エリック目線、サンドラ人狼ありますよね?」
エリック「勿論です」
サンドラ「違う!!わたくしではありません!!ほんとなんです!信じてください!」
クリス「お前が人狼と出てるんだよ!!」
スーザン「今日は、サンドラ。終わらないならクリスは、偽物確定ってことでいいだろ。」
クリス「終わる。がもし終わらねぇならそうだろうな。」
マイク「人狼じゃないかもしれねぇのに殺すのか?」
アンナ「仕方ない。」
サンドラ「…。」

(また脳裏にGMの声が響く。部屋が暗くなり銃声が聞こえる。明かりがつけばいつもと同じあの状況。血を流し倒れているサンドラの姿。)

GM「それではお部屋にお戻りください。
また明日まで生き残れればいいですね。おやすみなさい。ふふふ」

(部屋に戻る。これで終わるかもしれない。良くない頭をフル回転させる。)

マイク「そうだな…俺は〇〇を信じてる。だからあの人を守る。」

(その人の部屋の前に猟銃を構え居座る。昨日と同じ空気。ビンゴ人狼のお出ましだ)
”バンッバンッ”
(また猟銃を放つ。静かになる廊下。これで決めてくれていれば俺らの勝利は確定だ。)


~4日目~

アンナ「皆さんおはようございます。今日も全員…いる!凄い!」
スーザン「ブラボー。」
アンナ「出てきていいわよ狩人さん」
マイク「あぁ、俺だ。」
アンナ「決まりねスーザン。あなたが人狼。」
スーザン「これはしてやられたな。はは、俺が人狼だよ。ねぇ、エリックそうだろ?」
エリック「そうですね。」
クリス「人狼…様…」
スーザン「可哀想に。俺らは2人しか殺してない。お前らのが人殺しだ。人狼を殺すために何人殺した?」
アンナ「っ……それは…」
スーザン「人狼よりよっぽどひどいことをしてるよお前らは。なぁマイク。お前はなんでわかった?俺が殺そうとしてるところ。」
マイク「男の勘だな。」
スーザン「ふはっ、完全にやられたよ。GMさっさと俺を殺してくれ」
クリス「スーザン…すまない。守れなかった。」
スーザン「これは仕方ない。クリスありがとな。」

(部屋が暗くなり銃声が響く。)

GM「ゲーム終了。市民陣営の勝利です。これより今までの記憶を削除します。」

アンナ「は?どういうこと?」

GM「そのままの意味ですよ?3.2.1…なんてね。ふふ。」

マイク「これで終わりか。良かった」

(いきなり体が軽くなる。ここ4日間あまり寝れぬ日が続いていた為、軽く部屋に戻り寝てから屋敷をあとにすることにした。)

マイク「俺はこの屋敷で少し休んでから帰る。お前らはどうする?」
エリック「私も少し休みます。皆さん紅茶でもいかがですか?」
アンナ「貰う。私も少し休もうと思う。」
クリス「俺も…」
マイク「分かった。じゃあまた明日。」
アンナ「うん。」

(緊張も解け、真っ青だった皆の顔が少し穏やかな顔に戻っている気がした。部屋に戻りベッドに入る。目を閉じればそのまま寝てしまっていたようだ。広間に戻れば皆が待っていた。)

アンナ「遅い」
マイク「悪ぃな」
アンナ「行きましょ」
マイク「おう」
エリック「お世話になりました。」
マイク「お世話にって…嫌な思い出しかねぇんだが…」
クリス「…おい、なんか変だ。」
エリック「確かにおかしいです。」

”ガチャ”
アーニー「ごめんください、誰かいますか?ママとはぐれちゃったの。」
アンナ「!?」
マイク「なぁその後ろにも何人も…」

GM「迷い込んだのが間違いでしたね。足りなくなれば補充するのです。」

エリック「私達を帰してください!」

GM「勝てと言っただけで”帰す”なんて一言も言ってませんよ。ふふ」

マイク「なん、だと?ふざけんな!!」

(怒鳴る俺をみんなが見る。最初と状況が似ている。)

マイク「くそっ。」

(屋敷にまた彼の声が響いた。)

GM「皆さんこんにちはゲームマスターです。今から皆さんには人狼ゲームをしてもらいます。カードをお引き下さい。」


〜完〜

人狼ジャッジメント

読んでいただきありがとうございました。
延々に続く感じを表したく最後のような表現にしました。
誤字等多めに見ていただけると幸いです。

人狼ジャッジメント

  • 小説
  • 短編
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-15

Copyrighted
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