元気出してよ
童話って、どう書いたらいいのだろうかと悩みながら書いた作品です。
広いひまわり畑の中に、一本の小さなひまわりがいました。「小さいのやだな。みんなみたく、大きくなりたいよ」そのひまわりは、いつも太陽の光を追いかけて上を見上げています。そんな彼の頭上には、たくさんの大きな花が同じように太陽を見上げています。夏の青空、黄色い花びら、緑の葉っぱが太陽の光によって色鮮やかな世界をつくりあげています。小さなひまわりは、この美しい世界が大好きでした。彼はまだ花を咲かせていませんでしたが、空に届きそうなくらい大きな周りのひまわりたちは、太陽に負けないくらい、元気に大きな花を咲かせていました。そんなみんなを、小さなひまわりはうらやましく、また誇らしく見ていました。
しばらくすると、激しい雨の日が三、四日続きました。空は暗く、雷も鳴り響いていました。あまりの強風に、ひまわり畑のひまわりたちは右に左に大きく揺れていました。折れそうでしたが、嵐の中をひまわりたちは、なんとか耐えていました。
晴れの日が来て、小さなひまわりは久しぶりに太陽を見ました。暖かな光に包まれ、ほっと安心しましたが、周りのひまわりたちを見て驚きました。みんな重たそうに頭を下げていたのです。花びらは散っていませんでしたが、どれも元気がなく、小さなひまわりには、その暗い表情が怖く見えました。
「おねがい。みんな元気出して」
小さなひまわりは心からそう思いましたが、なかなか気持ちが届きません。
「小さくて良かったな、お前」近くの大きなひまわりたちが言いました。「おれたちは大きいから、お前よりもずっと強く風を受けて、ずっと強く雨に打たれたんだ」以前の元気な彼らからは想像もつかないほど、弱々しい声でした。「大きく、強く育ったつもでいたけど、おれたちは、もうだめだ。こんな重い頭を起こせるほどの力は残ってない。ごめんな、影をつっくちまって」
一生懸命見上げる小さなひまわりは、大きな声で言いました。
「そんなことないよ。みんなは強いじゃないか。傷だってついてない。しっかり立ってるじゃないか。がんばってよ」
嫌がっていたその小ささのおかげで、自分が周りに助けられていたことに気づき、今度は自分がみんなを助ける番だと思い、彼は考えました。
「ぼくにできること。ぼくにできること。ぼくにできること……。そうだ!」
小さなひまわりは精一杯の力をこめて、つぼみだった花を咲かせました。彼に似合った大きさで、明るい黄色の花でした。
「こんなに小さくたって、みんなの間からしか光をもらえなくたって、ぼくはちゃんと咲くことができるよ。成長できるよ。生きていけるよ。みんながそんなふうだと、いやだよ。顔上げてよ。元気出してよ!」
彼にできること。人一倍元気に立つこと。人一倍元気に花を咲かせること。人一倍元気にふるまうこと。小さいからこそ、みんなが元気のないときに、小さなひまわりは下から一生懸命みんなを見上げて、元気づけました。
周りの大きなひまわりたちは、小さなひまわりの元気な姿を見て、がんばって空を見上げてみることにしました。簡単ではありませんでしたが、太陽の「また会えたね」という笑顔が見えて、力が戻ってきたような気がしました。
再び広いひまわり畑には、たくさんの笑顔が咲き誇っていました。
元気出してよ
自分が背が低いので、こんなことを思ってしまうわけですよ。
小さいの嫌だけど、自分にできること探してみようって。
きっと自分が小さいのは、大きい人が落ち込んで俯いたとき、笑顔で見上げて、「大丈夫だよ」っていってあげれるからだと思うことにする!
きっとそう!
だから、ぼくはポジティブでいなきゃなんだよ。