新年のコタツの中で<寝ている姉にいたずらする>

この作品は、19年の正月記念の作品です。

 年が変わり、元日になって数時間経った頃のこと。



「はあ〜、寒かった〜」



 家に帰った僕は、居間に入ると、そう言いながら着ていたジャンバーを脱ぐ。

 寒い元日の日、僕は年が明けると同時に初詣に出かけ。
今、人が多い神社から帰った所である。



「姉さん、あれ?」



 脱いだジャンバーをハンガーごと壁に掛けると、居間の真ん中にあるコタツを見て気付く。

 薄いセーターとスカート姿の一人の女の子が、コタツの上に(うつぶ)せに寝ていた。

 女の子は、(つや)のある黒髪が肩まで伸び。
横を向いた顔から、閉じていても大きいと分かる目、形の良い鼻、桜色のプックリとした唇が見え。
一目で、可愛い系の美人だと分かる。

 スタイルもスラリとしていて、それはコタツで丸まった背中を見ても分かるだろう。

 この寝ている可愛い女の子は、僕の実の姉である。


 ************


 姉さんと僕は、近所でも評判の仲良し姉弟で。
小さい頃から、良く一緒にいた。

 それは大きくなっても変わらず。
普通だと、この年頃になると何となく微妙な関係になる事が多いが。
僕達は、昔と変わらず一緒にいたである。


 姉さんとは一つ違いで、同じ学校に通っているので。
当然、クラスメートはこの事を知っており。
二人は、ブラコンシスコン姉弟としても有名であった。

 まあ、僕達は人前でも、いつもくっ付いていて。
僕の隣に姉さんがいるのが当たり前で、姉さんも僕と一緒にいようとしたがる。

 だから僕は、彼女が欲しいとは思った事がない。

 入学して最初の頃は、周囲からビックリされ、次第に呆れられるようになり。
慣れたであろう最近は、“一線だけは超えるなよ”と冷やかされる様になった。

 そう言われるが、姉さんとは姉弟のままでありたいと思うので、そんな事にはならないとは思う。


 それくらい二人の仲が良かったが、今は僕だけ初詣に出かけていた。

 なぜなら、姉さんは寒さに弱く。
その為、僕だけが神社に行っていたのである。

 出かける前、起きて僕が帰るのを待っているとは言っていたが。
結局、眠り込んでしまった様だ。

 ちなみに両親は、僕が出かける前に早々に眠ってしまっていた。



「……すー、……すー」



 姉さんは、指先だけチョコンと出した萌袖(もえそで)にした腕を組んだ上に、顔を横に向けた状態で、静かな寝息を立てて寝ている。



(そーっ)



 僕は寝ている姉さんの顔に掛かっている髪を、そっと指を通して直す。



(なで……、なで……)



 しかし、指を通る髪の感触の良さに、思わず彼女の髪を撫で始めた。



(スーッ……、クルクル……)



 サラサラして指通りの良い髪を、ただ撫でるだけで無く指の間に通したり。
または指に(から)めたり、あるいは指先で(もてあそ)ぶ。



 ・・・



「……すー、……すー」

「まだ、寝てる……」



 そうやって、しばらくの間、姉さんの髪を撫でていたが、(いく)ら弄んでいても。
相変わらず、静かな寝息を立てている姉さんを見て、少々呆れてしまう。

 髪の撫でることに満足した僕は、ふと丸まっている背中を見る。

 眠っている姉さんの、細い背中を見ている内に、何だかムラムラして来た。



(ゴソゴソゴソ)



 僕は(おもむ)ろに、まだ寝ている彼女の後ろに廻り、丸くて大きなお尻を足の間に入れるようにして、コタツに入る。

 その大きなお尻に、僕は姉さんも“女の子”なんだなとシミジミ思う。



(ぎゅっ)



 大きなお尻に苦労しながらも、何とか姉さんの後ろに座ると、腕を前に廻し、彼女を抱き締める。



(ぷにっ)

「はあ……、やわらかい……」



 腕から伝わる女性特有の、柔らかい体の感触に思わず声が出る。



(ぎゅっ、ぎゅっ)

(ぷに、ぷに)



 その感触をもっと味わいたくて、僕は腕の力を緩めたり入れたりした。

 緩めた後、力を入れた時の“ぷにっ”とした感触が心地良い。


 ************


 僕は寝ている姉さんを、後ろから抱き締めたのだが。
この様に、僕は良く彼女の事を抱くなどのスキンシップをしていた。

 小さい頃は、単純に甘えたいので抱き付いていたのだが。
僕が、姉さんの背を追い越した辺りから、違う意味を持ち始める。

 その頃から、姉さんの体が丸みを帯びだし。
それと共に、体に付き出した脂肪の所為(せい)か、彼女の抱いた時の感触が気持ち良くなった。

 それからは、この感触が忘れられず、僕は以前以上にスキンシップをするようになる。



ーーねえ、優ちゃん、ぎゅってして。

ーーもっと、頭なでてちょうだい。



 一方の姉さんも、僕に包まれたり撫でられるのが気持ち良いのか。
僕の行動を黙認する所が、逆に催促(さいそく)することもあった。

 言われた僕も、“これ幸い”とばかりに、姉さんをハグしたり、頭を撫でたりした。



(スーッ)

「(ああ〜、いい匂い……)」



 コタツに俯せになって、寝ている相手を抱き締めているので。
当然、僕の顔も姉さんの頭に近付き、思わず匂いを嗅いでしまう。

 鼻の奥まで、女の子特有の甘い匂いがしてきて、目が(くら)みそうになった。



(スリスリスリ〜)



 甘い匂いを嗅いでいる内に、自然と姉さんの頭に頬ずりをし始め。

 すると頬に、姉さんのサラサラの髪の感触がしてきて。

 そうやって、姉さんの頭に頬ずりをしていると。



(クシャッ)



 イキナリ、頭を揉むように撫でられた。



「……ん、優ちゃん……、なにしてるの……?」

「姉さんが寝てたから、ちょっとイタズラ」

「……もお〜」



 姉さんの問に面白そうに答えると、ムクれた様な声を出した。



(クシュ、クシュ)



 そんな反応を見せるけど、その手は僕の頭を揉むように撫で続けていた。
どうやら言っている程、機嫌を(そこ)ねた訳でも無いようだ。

 揉むように撫でる手は、まるで大きな犬をモフる様に撫でているが。
意外と、その感触は気持ち良かった。



「……ねえ、優ちゃん」

「ん? なに」

「チョット重くなってきたから、起きてくれない」



 僕は撫でるがままになっていると、急に姉さんがそう言ってきた。

 それを聞き、僕は左手を後ろに付き、体を起こす。



(ガバッ!)

(ドン!)

「イテっ〜」



 僕が体を起こすと同時に、姉さんがイキナリ体を振り向け、僕に飛びかかった。



「もお〜、姉さん」

「えへへ〜っ。
お姉ちゃんにイタズラした罰だよ♡」



 飛びかかられた拍子に、後ろの床に背中をぶつけてしまい。
倒れた僕の上に、姉さんが()し掛かる。

 突然の事に、僕が文句を言うが。
当の本人は悪びれず、そう返した。



「……優ちゃん、ぎゅってしてくれない?」



 可笑(おか)しそうに話していたのから一転して。
今度は甘えるような声で、姉さんが抱擁(ほうよう)強請(ねだ)ってきた。



(ぎゅっ)

「はあっ……」



 僕に伸し掛かった姉さんを改めて抱き締めると、気持ち良さそうな溜息を漏らす。

 抱き締められている姉さんも気持ち良いだろうが、程よい重さの柔らかい物が乗っている僕も気持ち良い。

 驚くほど軽い体重だが、心地良さを感じる位の重さはあって。
また伸し掛かられたので、先程よりも、体の柔らかさをより感じられる。



「……今度は、頭をなでてぇ……」

(なで……、なで……)

「んんっ……」

(スリスリスリ)



 姉さんが、更なる要求をしてきたので、その通りに頭を撫でると。
僕の手の動きに、声を漏らしながら僕の胸板に頬ずりをする。



「優ちゃん……、きもちいいよぉ……」

「僕も気持ち良いよ、姉さん」



 頬ずりをしながら、夢見るような声で言ってきたので。
僕もそう返す。

 姉さんは柔らかくてとても気持ち良い。
そんな姉さんを好きなだけ抱けて、僕は幸せだ。

 そんな事を思いながら。
僕は伸し掛かって甘える姉さんを、抱き締めながら撫で続けたのであった。

新年のコタツの中で<寝ている姉にいたずらする>

私はここ数年、年末年始の頃に、なろうに読み切り短編を投稿しておりましたが。
なろうの方は、余りにも短編の数が多いため、余程の人気と実力が無いと埋没してしまうので。
19年の正月は、星空に投稿してみました。

反応しだいでは、継続的な動きにしようかなと考えています。

新年のコタツの中で<寝ている姉にいたずらする>

年が明け、新年になって間がない頃。 とある仲の良いブラコンシスコン姉弟が、コタツの中でイチャつく話。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-01-01

CC BY-NC
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