Memory Hearts
俺の目の前にある光景は紛れも無い真実だった・・・
高校の入学式前日、朝から曇り空が広がり天気予報では午後から雨も降ると言っていた。俺は家でのんびりと過ごし両親は午後から買い物に出かけた。午後2時を過ぎた頃とうとう雨が降りだす。時刻は午後4時になり雨は勢いをます。
自分の部屋で激しい雨音を聞き流しつつ学校のしおりを見ていた。
その時だった、家の電話が静かな空間に鳴り響いた。恐る恐る電話に出ると相手は聞いたことのない男性の声だった。
「はい、もしもし」
「あーもしもし神岡さんのお宅でしょうか」
「そうですが、どちら様ですか」
「私は緑星総合病院の医院長の岡島ともうします」
なぜ病院なのかわからないが慌てている様子もないので不安はなかった。しかし次の一言で俺の限りなくなかった不安が一気に不安から絶望に変わった。
「落ち着いて聞いてください・・・」
・・・気がついたら病院に向かって走り出していた。
俺は今までの人生を精一杯生きてきた。生きてきたはずなのに
Memory Hearts