血の罪
暴力で支配しようとする人間が嫌い
欲求を抑えられず本能のまま生きる人間が恐い
後先考えない無計画な人間は軽蔑する
人の外見を笑う人間は見ていて恥ずかしい
無知な人間は罪だ
それらの要素を兼ね備えた嫌悪の極みが
私を産み落とした人間に凝縮されている
だから恐い
この血が憎い
汚らわしい
褒められると引いてしまう大きな理由
上辺だけをなぞって生きて行く方が楽なんだろう
でも私はそんな生き方を知らない
常に自分の中身に向き合い
苦しめられる
苦しいのなら手放せば?と人は言うだろう
そんな簡単なものではない
同じ経験をした者にしか共感できないだろう
そうそういないけど
誰にも言えない秘密を飲み込み
今日も抗う
自分の中に眠る獣が
〈覚醒〉してしまわないように
血の罪