血の罪

暴力で支配しようとする人間が嫌い

欲求を抑えられず本能のまま生きる人間が恐い

後先考えない無計画な人間は軽蔑する

人の外見を笑う人間は見ていて恥ずかしい

無知な人間は罪だ


それらの要素を兼ね備えた嫌悪の極みが
私を産み落とした人間に凝縮されている

だから恐い

この血が憎い
汚らわしい

褒められると引いてしまう大きな理由


上辺だけをなぞって生きて行く方が楽なんだろう
でも私はそんな生き方を知らない

常に自分の中身に向き合い
苦しめられる
苦しいのなら手放せば?と人は言うだろう
そんな簡単なものではない

同じ経験をした者にしか共感できないだろう
そうそういないけど

誰にも言えない秘密を飲み込み
今日も抗う
自分の中に眠る獣が
〈覚醒〉してしまわないように

血の罪

血の罪

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-19

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted