自己保存の旅

結婚したのは

独りが恐かったから

世間の偏見に晒されたくなかったから

息苦しい家業を離れる口実がほしかったから

実家の家事が嫌だったから

そう
相手に純粋な愛情があったわけじゃない

あらゆることを計算し
妥協した
私にはこのくらいがいい、と

「愛し合える人と添い遂げたい」

大きな望みもあったけど
とうてい手に負えないから
私には無理だから

だからダメなの?

努力できない
改善点など見て見ぬふり
雑な対応になる

だって愛など湧いてこない
そもそもこの心にそんなのあるの?

信じられるのはお金だけ

心許せるのは
大切なのは
自分だけだもの

自己保存の旅

自己保存の旅

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-17

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