運命の人

とある親友が、近々離婚調停に臨むことになった。
彼女の結婚生活はおよそ七年続いた。

短くはない交際期間を経ての結婚。
夫婦は気が合い上手くいっとるように見えた。
実際は、親友ばかりが我慢を強いられる苦しくストレスフルな暮らしやった。

彼女とはしょっちゅう会っとったけど、時に彼女は訳もなく不機嫌やったり、八つ当たりに近い言動を見せたこともあった。その時は、気になりつつも深くは突っ込まず流しとった。今思えば、結婚生活での無理が精神を蝕んどったんやね。

離婚を意識したのは一度や二度やなかったらしい。

彼女はそのうち、職場の人に惹かれるようになって、一時はその人と不倫関係になった。相手にも妻子があった。

いわゆるダブル不倫。

そんな使い古された安っぽい単語でカテゴライズできる関係やと、私は思えんかった。

色々あったけど、結局二人はそれぞれの家庭にけじめをつけ、互いがいつか本物のパートナーになれるように今とても頑張っとる。

結婚する人が運命の人なら、それが一番いいのかもしれん。その方が傷つく人も出んやろうし。でも、結婚後に運命の人に出会う。そういうこともあると思う。あっていいと思う。

だって、最良の相手に出会える方法なんて誰も知らんし教えてもくれん。

恋は常に手探り。ミスの許されんぶっつけ本番。

死ぬ時幸せなら。自分の手を取ってくれる相手が最愛の人なら。それでいいやん。そう、私は思う。

運命の人

運命の人

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-16

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