混沌



スクランブル交差点の真ん中
前に向かっていた足を止める



辺りを見渡すと
忙しなく歩いている人
下を向きながら歩いている人

色を付けようにも
僕の脳内でモノクロに変換される街


覇気などというものは微塵もなく

人々はただ自分に課せられた使命を
何とも淡々とやる

重そうな鞄を持ち
制服やスーツをびしっと着て
迷うことなく歩を進める


当たり前なのかもしれない

時間も丁寧に時を刻み
空に浮かぶ雲も流れる
地球も廻る

そんな当たり前の光景が
僕の中では非生産的だった



こんな変わらない日常の中で
希望の活路を見出せるのか


考えても考えても
何も浮かばない

もがき苦しみ
手を延ばしたって光は掴めない



大きく息を吸って
もう一度



考えても考えても
何も浮かばない

もがき苦しみ
手を延ばしたって光は掴めない


歩行者用信号の青が点滅し
僕は我に返る

重い足を一歩また一歩
ゆっくりと進めた

混沌

当たり前の日常は殆どがモノクロ。当たり前のことを当たり前に綴った結果。日々変化してカラフルにしていくことって凄く大切だと思う。

混沌

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-04

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