両片思いでよかった

まともな初恋は、多分、高校の頃。

あの人は愛され上手な人気者やった。

やけど、どこか影のある、つかみどころのない人。

私の前だけで見せてくれる弱さや無邪気さが嬉しかった。

打ち明け話もしてくれた。

何の助けにもなれへんかったけど。

友達で完結。
後々、両片思いやったと知った。


すれ違ってしまった関係を思うとひどく懐かしく、とても寂しく、深い悲しみを覚え、結局のところ安心した。


自慢やなく、人に好かれる経験はほどほどにある。交際を維持するのは大変ってこと痛感しとる。

愛するのが下手やとね、いかん。

当時、彼と付き合えとったとしても、馬鹿な私のせいで関係をダメにしとったかもしれん。

大事な人とは、友達くらいの距離感がちょうどいい。

中村中さんの「友達の詩」は、深く共感!
たまに聴いては、彼を思い出しとる。

両片思いでよかった

両片思いでよかった

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-06

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