雨音と音楽

いきなり休みになったで、何となく車に乗って目的もなくゆらりと近所を走った。

時間の空いとる友達を訪ねてってもいいけど、人に会いたい気分でもない。

そんなにお腹も空いとらんでコンビニもスルー。
あ、やっぱり抹茶ラテ飲みたいかも。
お酒は…飲んだらいかん!

さあ、どこ行こう。

フロントガラスの雨をワイパーが拭う。
繰り返し、何度も。

車内に流しとる曲が耳に響いてくる。

かつて何度も聴いたCHEMISTRYのアルバム。
「合鍵」を聴くと、あの人を思い出す。

何時間も長電話した人。

夜通し付き合ってくれた友達。

儚くて楽しかった頃。

初めてのバイト。

自由で不自由やった学生時代。


雨音が聞こえる。

雨音と音楽

雨音と音楽

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-12-06

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