ゆめ
ひび割れた優しさに浸っていた
廃盤になった温もりを与えていた
いつから間違えたのだろう
夜空が綺麗だね
(まるで、君みたいに)
(真っ黒)
きっと生きていた
亡くしていた心を新しく作った
飼われていただけなのに
愛されていたと勘違いしていた
残虐な現実の境界は肉体
白く曇った電
車の車窓
僕の人生の象徴だ
電車に手を振る女子高生
飛
ん
で
い
く
心が車輪となって
雪を巻き込んで消し去った
溢れ出す熱量の隙間に溶け出した水
もう思い出せないんだ 消えてしまったから
言葉だけの感傷が狂った口の中で暴れた
消えたのは、それだけか
壊れ果てた写真立てが飾られた居間
幸福を包み込んだ羽毛布団がパタパタと
風にはためく国旗のようだった
耳に ま
と
わ
り
く
つ
不 快 な 言 葉
笑い合っていただけで 幸せだと思っていた
ゆめ