その歌は曖昧に

きっと世界は曖昧で
嘆く僕らの輪郭を溶かして ひとつに繋いでくれるのだと

もっと世界は曖昧で


電信柱の影に見つけた 幼い記憶の僕
蹴り上げた空き缶は 音も無く飛沫を散らして

確かな道を辿って 折り合いを着こなした
それでも道端で立ち竦む僕は
あの日からずっと此処に居る

きっと世界は曖昧で
願う僕らの未来を手繰り寄せて 継ぎ直してくれるのだと
相変わらず 何となく 夢見てる


宝箱に鍵を掛けて 忘れたふりで誤魔化した
僕は大丈夫だと 一体誰に言ったんだろう

ヒーローに憧れて 偽物を選び続けて
原っぱで夕日を背にする君の
頬を伝う涙 拭えずに

きっと世界は曖昧で
叫ぶ僕らの正義を攫って 新しい意味をくれるのだと
無邪気に 最後まで 信じてる


手に触れられないものは何だ
隣を歩けない日々はどうだ
探し出した向こう側には そう ありふれた歌を


もっと世界は曖昧で
嘆く僕らの輪郭を溶かして ひとつに繋いでくれるのだと
今でも 希望を 紡いでる
きっと 明日も 笑いながら 歌ってる

その歌は曖昧に

その歌は曖昧に

歌詞。 未来と正義が、曖昧なほどしっくりくる時。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-11-26

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