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秋晴れの空の下
紅葉した街路
外套を羽織り始めた群衆
からからと響く鳥の鳴き声

足を引きずる男がいる

ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている

男の周囲には腐乱臭が漂い
通り過ぎる子どもは鼻をつまむ
手を繋いだ母親は顔をしかめて
革紐を握られている犬が厳しく吠えた

ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている

男の汚れた顔に何が描かれよう
男のとろい足取りに何を見られよう
全ては暗く絶望の色をしている
男はただ足を引きずり歩いている

ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている
ゆっくりと歩いている

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-11-21

Copyrighted
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