一人前の救急救命士になってやる!
どうも、べラントです。
いや~、前作では学園物と打って変わって、救急隊。う~ん何だろ、この感じ。
書く理由はですね。叔父が自衛隊なんで、叔父が
「自衛隊も良いけど、救急隊もやって見たかったなぁ」
と言っていたので、ここで叶えさせてあげようかなと思い、書きました~
イエーイ、叔父さーん、見てる~?
僕は救急隊長になってしまった。
半人前なのに。
自分は半人前
「なに、やってるんだ!!大祐!」
「すみません!」
自分は、天川隊長に怒られた。自分が悪いのは、知っている。
この消防隊の中で2番目にすごいと言われているが、自分はそんなことは思ったことは、ない。自分はまだ、半人前だ。
「聞いてるのか!!大祐!」
「はい!」
それにまだ、自分は25歳だ。
「じゃぁ、今度から、なくすように!以上」
「有難うございました!失礼します!」
天川隊長がどこかへ行った。と突然
「よ!大ちゃん!こってり絞られたか?」
「何だ…悠か」
こいつは自分と同期で田嶋 悠一(たじま ゆういち)ただ、何が違うかと言うと。
「また、香織ちゃんに慰めて貰うのか?」
妻がいる。しかもかわいい。そして多分オムツのCMに出れるのではないかと言うかわいすぎる愛娘がいる。
「お前も早く結婚しろよ」
「俺は慎重派なの!」
嘘つけ、酒被ってたとき、早く結婚した言っていってたじゃん。
「この後、大ちゃんはどうすんの?」
「この報告書を出したら終わり」
「じゃ、今日大ちゃん家行って良い?」
「わかった、じゃあ先行っててくれ」
「オーライ」
…アイツが家に来るなんて、1週間の内に4回は来ていることだ。香織も分かってくれるだろ。
「さてと」
報告書出しに行くか。まぁ、天川隊長のとこだけど。
まぁまた、怒られないように慎重に行こう。
「失礼します!反町です!」
「おう、入れ」
ガチャっと扉を開けた。と天川隊長は窓の方にいた
「報告書か」
「はい、こちらです」
隊長はいつもサラリと読むだけだが、今日は違った。じっくり見ている。
「大祐、折り入って話があるんだが…良いか?」
報告書を見たままだが、隊長から直々に話されるなんて。きっと自分が、ヘマをしたんだろう。
「…なんですか?」
「正直言って、…まぁ自分のことを話すなんてお前しかいないんだが…」
ん?隊長がこんなに歯切れが悪いなんて…きっと何かあったんだ。
「俺も、もう年だ、だから、今日で現場から、降りる」
「え?!」
思ってもいなかった。年、と言ってもまだ46歳だ、まだまだいけるはずなのに。絶対に何か隠してる。
「…年だけじゃ、無いですよね?」
「フッ、やっぱり勘が鋭いな、まぁ、病気にかかった」
「え?天川隊長がですか?」
報告書から目を離して此方をみて微笑みながら。
「あぁ、そうだ」
自宅にて
「え!!?天川隊長、やめちゃうの?!」
「…そうらしい」
あのあと、いつもの『以上だ』を聞いてから、トボトボ家に帰った。帰ったら、帰ったで悠が酒飲んでるし、大声上げるし。
「どうしたんですか?大きな声を出して」
「あ~何もない」
ほら、香織が気にしだした。
「…じゃあ私、菫をお風呂に入れてきます」
「あぁ、すまんな」
菫は俺の娘の名前だ。今日は早く帰ってこれたから、一緒に入ろう、と思ったんだが…そういう状況じゃない。
「…本当、香織ちゃんって空気読むよね」
「救急隊員の奥さんですから」
「聞いてたのかよ!」
最後にこちらを見て二コリと笑ってからお風呂へ行った。
それを数秒見てから。
「その話は何時?」
「報告書を渡したときに」
「まぁ天川隊長って一番信頼してたの、お前だもんな」
…そうだったのか、今知った。
「復帰はもう無いらしい、原因は病気だそうだ」
「へぇ~」
とそこで何か気がついたように悠が言ってきた。
「あ!次の隊長はどうすんのかな?」
…そういえばそうだ。それは何も聞いていない。
「林さんだと思うんだが」
「あ~分かるわそれ、しっかりしてるもんな」
林 翼(はやし つばさ)実際、現場でも、冷静な判断を下している。
「俺は~大ちゃんかな~♪」
「自分がか?…それは無い、まだ半人前だ」
「またまたぁ~、『自分は半人前ですから』ってか?もう一人前だと思うんだけど?」
…半人前だ。まだ、…いや、隊長より、すごくなかったら一人前にはなれない。
悠は此方を見ながら、ビールを飲んでいる。ビールの何処がうまいんだか…
「まぁそれは、明日分かることジャン?今日は飲もうよ♪」
「そうだな」
…今日はコレだな。ちょうど秋だし。
「お?今日はなんのお茶?」
「今日は、ほうじ茶だな、香織が買っていたから」
「んじゃ乾杯と行きましょうか?大ちゃん」
「あぁ」
「「乾杯」」
自分は…
あの後悠は帰った、『明日が楽しみ~』とか言いながら。…自分には、ビールを5缶ものんで酔っていないと言う事に、ビックリなんだが。
「パパだ!パパ~」
「菫…お風呂ゴメンな?」
「良いよ~だってパパお仕事忙しいんでしょ?」
…4歳にお仕事と言う単語が良く出てきたな。
「パパ!明日ママが『たかも焼き』作ってくれるんだって~いいな~」
…あ
「あぁ、『玉子焼き』な」
「あら、田嶋さん、帰ったんですか?」
…香織だ、うん綺麗だ。
「あぁ、帰った」
「ママ~パパだけ『たかも焼き』ずるいよ~」
「はいはい、菫さんも作りましょうね」
「うん!」
…どうやったら、こんな無愛想な父親からこんなに可愛い娘が出来たんだろうな。本当、人間て不思議。
「じゃあデザートはだいf「みたらし団子ですね、分かりました」
…材料が無かったんだな。すまん、香織。
「さぁもう時間だ、菫寝てきなさい」
「ふぁ~い分かりました」
寝室に行こうとした菫だが此方を振り返って。
「反町隊員!おやすみなさいです!」
と敬礼してきた。4歳児だぞ、どういう教育をしているんだ。…自分だった…
菫が寝室に行ってから香織が話し始めた。
「元気が無いですね?どうしました?大祐さん」
「あぁ…何も無い」
と言ったら
「何かあるから聞いているんでよ?」
…わぁこわぁい…
「いや、ちょっと仕事で…」
「そうですか」
「香織はいつも綺麗だな」
「嬉しくないです」
…そう、喜ぶと思った。
「大祐さんは自分のこと、何だと思っていますか?」
…え?
「何だって…えっと」
「私はもう一人前だと思っています。家事も何もかも出来ますから、大祐さんは?仕事、どうですか?」
…自分は、
「半人前だ。ずっと、半人前」
「それはなぜですか?」
「なぜって言われても…」
驚いた。香織がこんなことを言ってくるなんて。
…だが答えはもう決めている。
「天川隊長よりすごくなかったら一人前じゃない」
「そうなんですか?」
「じゃあ…何?」
「憧れちゃったら、超えられないじゃないですか」
「憧れる…」
そんな目で自分は隊長を見ていたのか…確かに、超えちゃいけない、一緒に歩きたいと思っていたかもしれない。
「もう、憧れを、やめませんか?私は、もう良いと思います」
…
「ちょっと考えさせてくれ」
香織はニコッと笑って、台所に行った。
憧れるのをやめる?…俺にそんなことが出来るのか?もし、俺が隊長になったら、皆をまとめる事が出来るのか?確かに腕は良いかも知れない。だが…
「大祐さん」
「あ…」
香織がココアを淹れてくれた。気を利かせているのだろう。
「さぁ、考えるのはそこまでです!」
「香織…」
「ココアを飲んで、眠りましょう」
「そうだな」
自分でやる
「反町」
「はい!」
隊についた瞬間に林さんに呼ばれた。
…まぁ大体は予想はついている。
「天川隊長がこの仕事から下りたのは知っているな?」
「はい」
「そこでだ」
「この中で、優秀なのは、やはりお前だ」
「自分ですか…」
…そこは年上の林さんだと思ったんだが
「俺は副隊長になる、お前を援護する」
そこで自分はズバッと聞いてみた
「どうして自分なんですか?」
「それは」
…それは?
「実力もお前のほうが上だし、天川隊長が決めたことだしな」
「それって」
とそこでアラームがなった。出動だ。
「いけ!」
「はい!!」
急いで自分たちが乗る救急車に乗った。
《国道167号線、の交差点で大型バスと大型クレーン車が激突。負傷者多数、その中でも重傷者は7名。至急急いでくれ!》
「急げ矢島(やじま)」
「分かっていますよ…!」
意識朦朧はやばい…急がないと!
そして到着した現場を見ると…騒然とした。クレーン車のクレーンがバスに突き刺さっていて。聞いていたよりも人はたくさんいた。
こんなのって…
「おい!反町!指示を出せ!」
「あっ…えと」
…くそ、こういうときは…
「トリアージがすんだ患者からこっちにまわせ!処置は自分と林さんと田中と田嶋、重傷者は自分にまわせ!以上!」
「「はい!」」
さて、行くぞ…!
「隊長!重症のかたです!」
「…え」
何もいえない。まさか…右腕が無いなんて…
だ、駄目だ自分がちゃんとしないと!
「聞こえますか?!聞こえたら返事をしてください!」
「ア…ぅあ」
「意識はあるんだな、まず、右腕から」
止血帯をまいて、ガーゼを置いて、ヒールゼリーを滲みこませて。
「!?」
「…おい!うごくな」
「あ、今バスの中で女の子の声が」
「なんだと?!おい!!柏木!バスに人が!!」
「はい!」
…助かった。
「あの」
「ん?」
さ、輸血しねぇと。
「俺、生きますよね?」
「何行ってんだよ、死んで良い人間なんていないだろ」
「そうっすよね…」
「さぁ、ゆけ、つ…どうした…?」
なぜか、男は涙を流していた。
…何かあったんだろうか、正直言って、歳もそんなに変わらない。
「あの…俺…!」
「まて」
…嫌な予感がした。ここでは聞きたくない話だと思う。なので、電話番号を紙に書いた。
「おう、病院について時間が余ったら電話して来い、話はきく」
「…っはい!」
…そこでさりげなく輸血した男は「あでっ」と言った、
「さあ!おい!搬送だ!やってくれ!!」
と近くの救急隊員にいった。
「さぁ、次だ」
一人前の救急救命士
「さあ!コレでラストだ!搬送頼む!」
「うっす!」
最後の傷病者が搬送された。
この事件の原因はクレーン車のスピード違反と居眠り運転らしい。(処置しているときに警察がしゃべっていた)それが無ければこんな被害は無かったのに。
「こんなにひでぇのにだぁれも死んでないなんて奇跡だよな!大ちゃん」
「…ばぁか、奇跡は起こすもんなんだよ勝手に起きてたまるもんか」
「うっわどうしたの?ものすごくクサかったよ?」
「…」
…ちょっぴり恥ずかしかった。
「さぁ!かえるぞ!」
「「はい!」」
そのあと隊にもどってテレビをつけた。やはり、あの事件がほとんどを占めていた。ただ、どの番組も共通の言葉が出てきた。
「へぇ~『死者0!救急隊員の迅速な対応に感謝!』いや、感謝されてもねぇ~?」
田中が言う。
…まぁ、うん、それまでの事をしたまでだ。
「お前ら!こんなことで満足してんなよ」
「え~それは反町さんじゃないっすか?」
「…はぁ?」
「だって」
…自分がなにをした?
「初の仕事ですよ?」
「…なんの」
「大ちゃんっ☆つまりは隊長になってからのってこと☆」
「…あぁ」
…それが…どうした?
「もう、一人前ってことっすよ!」
「…っ!」
…一人前って自分で決めるんじゃなくて、皆で決めることなんだ!!
「そうか…ありがとう」
「「??」」
田中と悠はハテナマークを出している。
「…なんでもない」
「大ちゃん、なんかうれしそうだな!」
…まぁな。
そうか、こうやって天川隊長は一人前になれたのか。
…一人前という名に恥じない仕事をしないとな!
「さぁ!仕事はまだ残ってんぞ、しっかりやれ!」
「「はい!!」」
外伝~あのときの男
先日の事件から1週間、留守電が1通入っていた。
『もしもし、えっと、あの時の怪我なんですけど、容態が安定したんで会いに来て下さいえっと場所は…』
とこんな電話が来た。多分あの右腕がなくなっていた男だろう。こっちも休みができたから、男がいる病院へいった。
「あの、…あっ」
さっそく受け付けで困った。そういえば名前を聞いていない。どうしたものか…。
「?どうかなさいました?」
「あ、いえ、なんでも…」
とそこへあのときの男が来た。
「あの!えっと、あのときの人ですよね?」
「…あぁ」
二人とも『あのときの』で呼び合ってんだな。
「ここでもなんですから、部屋で」
「…そうだな」
…きまずい、なにか部屋に着くまで話さないと。
「そういえば、お前、名前は?」
「あ!すみません…言い忘れていました」
…わすれてたのか。
「俺、島田 秋斗って言います、季節の秋に北斗七星の斗で秋斗です」
…秋斗な、覚えとこっと
「自分は、反町 大祐」
「大祐さんですね…失礼ですが、年齢は…おいくつですか?」
「26だが」
「え?!」
…老けて悪かったな
「俺と同じかと思いました!」
「お前は?」
「俺、19歳です」
「…」
…これは自分が若く見えたって事でいいんだよな?
「あ、ここ、俺の部屋です」
…502号室。
入ってみたら、…何も無い。本当に、ベットしかない。
「見舞いにきた人はいんのか?」
「あ、すみません、いない、です」
「親は?さすがに子供が右腕がなくなってるもんな…それもか?」
「はい、俺、友達も親もいないです、すみません…」
「いや、謝んなくていいけどさ」
つか、悪いことしてないのに謝られても困る。
「あの…どうしたらそんな職業に就けるんでしょうか?」
「え?」
どうっていわれても…
「やっぱり、友達とかいなかったら出来ないんでしょうか?」
「別に…」
ってか自分も友人って言う奴は悠しかいないし。
「むしろ、頑張ろうっていう気持ちが大切かな」
「気持ち…」
「今の世の中は若い奴が上司に怒られてしょげる奴が多すぎだな、あと虐められてるやつは本当に自殺しねぇと駄目なのかって言いたいな」
「…つまり?」
「死ぬなら老死!コレが一番!」
「…そうですね」
「でお前も、そっちの方なのか?」
「いいえ!今変わりました!たとえ右腕が無くても、頑張ったらいいんですよね!俺、今、生きてるのが嬉しいです!」
「そうか」
…そういえば、こいつ右腕が無かったんだ。
「…右腕はどうすんの?」
「俺、左利きなんで大丈夫っす!」
…心配して損した。
「さぁ!やる気でて来たぞ!!」
…こいつ、こんなキャラだったっけ?暑苦しい。
「お前…じゃなくて秋斗、将来の夢は?」
「勿論!救急隊です!!」
「オーケイ、それで良い、夢は無かったら詰まらないもんな」
さて、そろそろかえるか。
すくっと立ち上がったら秋斗が言って来た。
「また来てくれますよね?大祐さん!」
「あぁ、当たり前だろ?」
一人前の救急救命士になってやる!
はい、この作品どうでしたでしょうか?
前作同様、主人公が無愛想(今回はひどかった)でしたがまぁ、自分に似てるんでコレはコレで。
あと、秋斗と言う右腕を失った男がいました。(話は外伝としておきましたが)世の中、頑張ってる人が笑われる、と秋斗は気づいてしまい、学校にも行けず、親もいないと悲しい人間でしたが、自分が死にそうなところを助けてもらった大祐に恩を覚え、生きるのが楽しい人間になる。という感じでした。その先はどうなったかは、御自分の脳内で考えてください。
まぁ、次の話に参りますが、次回作は、剣道か、自衛隊(空軍)か、成人向けの恋愛もの(コレにする確立は高いです)のどれかを書きたいと思っていますのでよろしくお願いします。
ではこの場を借りてお礼を言いたいと思います。
まず友人A、携帯ぶっ壊してくれて有難う、もう携帯は買わないよ。
次友人B、珍しく、真面目に手伝ってくれて有難う、眠りかけているときハリセンでしばいてくれて有難う。マジ痛かった。
続いて友人C、アクエリアスを有難う。あれ、牛乳を水で薄めた奴を渡したでしょ、まずかったよ。おなか壊したよ。
最後にこの作品を見てくださっている皆さん!どうもありがとうございます!
次回も前作もよろしくお願いします!