Shadowverse〜漆黒の竜騎士〜
フェイズ1 「起動」
「ふわぁ〜…」
いつものように目を覚まし、学校に行く準備をする。
「おはよう、ママ。」
母への挨拶。いつもの日課。
「おはよう。真依。」
龍ノ宮真依(たつのみや まい)18歳のいつもの朝。
「朝ご飯、いらないから。」
母にそう告げて家を出る。
『影詩学園高等部』へ歩き出す。
友達はいない。いても面倒なだけ。
そう考えて歩いている時だった。
(…えるか?聞こえているか?私の声が)
頭の中に響く声。とりあえず応じてみる。
「聞こえてますけど…なんですか?悪いですが、私学校あるので…」
(前を見ろ。)
声の通りに前を見る。そこには一人の男がいた。
「お前、『影使い』なのか?」
男は聞きなれない単語を発した。
「違うと思いますけど…なんですか?私、急いでるので」
その場を離れようとした。だが足が動かない。
「さぁ、影の闘いを始めよう。」
男がそう言うと、あたりに異世界のような建物が広がる。
そして、男は何かカードのようなものを持っている。
「シャドウバース、わかるだろ?」
聞いたことはある。
だが、私はプレイしたことがない。
「私やったことないんですけど…」
と言ったとき、また声が聞こえた。
(すまない。事情は後で話す。体を借りるぞ。)
「ちょ…何を言って…」
その瞬間、私の意識は闇の中に消えた。
これが、私のシャドウバース初戦になることになった。
Shadowverse〜漆黒の竜騎士〜