魔術師達の日常 Ⅱ 前編
「イギリスと日本からの時間の差はだいたい9時間ぐらいだからね~...だいたい8時ぐらいかしら?」
※日本時間 = イギリス時間+9
「学校もうすぐ始まるじゃん。遅刻するのは色々とめんどくさいしもう帰るよ」
落ち込んでいたお父さんが口を開いた。
「私の力で時間を巻き戻すことができるぞ」
親父が超絶最強な件について。
「あれは使ったらだめよ。タイムパラドックスが起きたらメンドクサイ」
親父が死んだ魚のような眼をした。なんか可哀想だな。
「アガサ、帰りの扉を作りなさい」
アガサは頷き、朝と同じの魔術を唱えだした。
「Πύλη ανοιχτή」
今朝見た木製の扉が出てきた。
「通路は出来ました。いつでも帰れます」
「じゃあ今日はもうお別れね。久しぶりに会えて楽しかったわ」
俺は色々ありすぎて楽しさより驚きさの方が大きかった。
「正直今日は色々信じられない事がありすぎて夢に思えてきたよ」
お母さんの顔がクスッと笑った。
「あっそうそうあまり人の前で魔術は使わないでね」
「何で?」
「ニュースとかにされたらたまったもんじゃないし、下手すれば人体解剖されるわよ」
それは恐ろしい。背中がゾッとした。
「恐ろしい奴らもいるしね」
「恐ろしい奴ら?」
「この事は家に帰ってそこの2人に聞きなさい。早く行かないと遅刻するわよ~」
そうだった。早く帰って学校に行かなければ。
「じゃあまたね~志木君❤」
お母さんと親父に帰りの挨拶をし、ドアノブに手を付ける。
魔術で作られた扉を開く。また光が自分を包みこみ、眼を開けると自分の部屋に帰ってきてた。
「ここは...俺の部屋か」
幸い最初の時のように気絶はしなく、スグに学校の準備をして家から出た。
「2012年7月15日 月曜日 12:30分(日本) 」
あー財布を忘れていた....
くそっ、あと残りの4時間この空腹を耐えなければいけないのか....
携帯のおサイフケータイというものに登録しておけばよかったと今後悔する。
すると聞き慣れた声が聞こえてくる。
「志木緋さま~志木緋さま~」
....自分の名前を呼ばれている。
この声はあのメイドさんの声だ。...てなんで学校に来てんの!?
「あっ志木緋さま、家に財布をお忘れになっていたので持って参りました」
それは助かる、おかげで腹を満たせる。
「では私はこれにて」
するとメイドさんは教室から出て行き帰って行った。
教室やら廊下からの生徒からの視線が痛い。
モブ1「なんだあのメイド服を着たかわいい女の子!」
モブ2「しらねーけどすげー胸が大きかったな...」
モブ3「何か志木緋の事呼んでたけどそうゆう関係なのか!」
モブ4「うらやまけしからんぞあのリア充」....チッ
モブ(生徒達)が俺を見て睨んでくる。廊下にも行き辛いし、結局あと4時間空腹に耐えなければいけなかった。
魔術師達の日常 Ⅱ 前編