ふたり

初小説です
温かく見守っていただければ嬉しいです

少し長めの予定です
頑張りますっ

放課後に体育館裏への呼び出し…
これは典型的な告白のシチュエーション
べたではあるがやはり憧れでもある…

――――そう今私は体育館裏。目の前には同学年の男子
これはもうそのパターンであるとしか思えない――――

「あのっ…実は…」
その言葉を聞くとより一層期待が膨らむ
心拍数の一音一音が体の中でこだまするのが分る…
「えっと…どうしたの???」
「あのっ!実は!以前から怜衣さんのことが好きでした!!!」
‘怜衣’その言葉を聞くと一気に体が冷め始める
私の期待は「バン」と音を立てて破裂したように…
しかし男子は話を続ける…私はこの先が読める
―――これを怜衣さんに渡してください!!―――ってね…



そしてそれは期待を裏切らなかった
「この手紙、怜衣さんに渡してください」
「うん。分ったよ。渡しておくよ!じゃあね」
‘いつものように’笑顔で元気よくその場から立ち去る…



私は谷原 結衣(タニハラ ユイ)2分違いの姉。
谷原 怜衣(タニハラ レイ)は双子の妹。
怜衣は女の子らしくてホンとに可愛い
モテるのはそう。いつも怜衣…
別にいいんだけど…ね。


私は体育館裏を出て怜衣を探した
学校は広いから探すのは一苦労だ
ましてやこの学校は全校生徒900人を超えるマンモス高校。
校舎も東、西、中央と三つに分かれている
一人を探し出すなど並大抵のことではない…



しかし怜衣は別だ。
放課後いると考えられるのは3ヶ所
一つ目は教室
まあ無難だろう。
二つ目は体育館裏
もちろん告白スポットだからだ
三つ目は西校舎と中央校舎を結ぶ渡り廊下
ここもこの学校の有名告白スポットである



とりあえず体育館裏はないので残り2ヶ所を探そう



しかしその必要はなかった。



「あの…1年の時から好きでした!良ければ付き合ってください」
ヤバイ…告白シーンに出くわすなんて…
体育館の壁から顔を出して相手を見る。
もちろん相手は怜衣だ。
「ごめんなさいっ!私好きな人いるから…」
私は知らずに渡された手紙を握り締めていた
そしてその場から逃げるように教室に向かって走り去っていた
ナンデ怜衣ばっかり…

ふたり

ふたり

双子の結衣と怜衣の違い… それは右耳の裏に黒子があるかないか それ以外はほとんど同じ。 その違いはごく数人にしか分らない…

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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-03-09

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