気分とアンドロイド

 失われた文明によって作られたアンドロイド、今では未知となった過去の技術、失われた文明のロストテクノロジーによってつくられた、精巧な機械でほぼ人間と同じ容姿を持つ人工生物。
 最終戦争がおわって荒廃した未来の地球で、それらは権利が変遷し、長い時間がたち世界中に散り散りになり、各国の権利で管理され、ロストテクノロジーの影響で感情を持つことを制限されていたが、お祭りや、イベントのときだけほかの人々と同じように“楽しむ”ことを許された。感情を制限したのは、過去の、失われた文明の先祖たち、しかしなぜかお祭りやそういう時だけ、楽しむという感情が許されているか、やがて数十年におよぶあらゆる国の研究の成果によって、アンドロイドは、今目の前で起こるできごとより、同時におこるそのほかの出来事や気持ちによって彼等の内部からわきおこっているものだということがわかってきた。

 近頃それを利用して、アンドロイドたちを楽しませようという実験をする人々もあらわれた、ある国のある街、ひと昔前テレビ番組でフラッシュモブというものがあったが、その街は毎年3回ほど、お祭りにあわせて、その都度アンドロイドに感謝をささげるサプライズを計画している。アンドロイドは国によって役割が違うが、その国のアンドロイドは、その街のシンボルとして、公演を渡り歩き、まるでテーマパークのシンボルのような働きをしていた。その日頃の感謝をこめ、毎年お祭りのある時間に、毎回タイミングを変えて、町中のみんなが突然踊りだしそのアンドロイドを楽しませていた。

 アンドロイドがある場所は観光客の人気がある、それだけでひとつの街のシンボルとなっている。おまけにその街は、アンドロイドをとても大切に暑かったので、田舎なのに人が絶えない、街の職員にいくらかの媒体がインタビューをしたが、街によるとそれはアンドロイドの寿命が続くまで続けるという。

 楽しい気持ちは、それ単体ではなく、それを演出するものも一緒に含めて、楽しい、アンドロイドのためのサプライズとお祭り、そのお祭りに参加した人や、それを人に進める人たちは、皆、アンドロイドではなく本当に街のすべての人々が楽しんでいるのが感じらると口をそろえて話す。

気分とアンドロイド

気分とアンドロイド

感情 制限 ろすとてくのろじー

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-10-20

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