名前を口にした地球人

名前を口にした地球人

短歌十首。

   



   



   

  



   



   



 



死んで逝ったいい仲間たちだけがわたしへ永遠を刻んでいく




けっして忘れたりなんかするもんか

二度と忘れられやしないんだ




「リル!」

くすくす笑って

呼ばれて

あの唯一

この地上 消えて




愛した最初の瞬間に彼らが求めあったのが名前でした




いないあなたを星に名づけ

この星で散るわたし

宇宙の数秒




あたしだけだといい

いまこの瞬間

名前を口にした地球人




命がけで一生懸命に聴いた

なに一つ言えなかったから




見つめあった

触りあった

貪りあった

なにも必要がなかった




触れてもいないたったいま

「好きです」という初めての愛撫に溶ける




沈黙 と 饒舌

引き裂かれるわたしたち  残った諸刃の暗号
   



   



   

  



   



   



 

名前を口にした地球人

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名前を口にした地球人

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-10-17

Copyrighted
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