絶滅危惧種的機械人間
前世代の機械人間は滅びるように作られていた。古い世界の企業のつくる家電やロボットが、買い替えの時期をも計算し、性能を抑えていたうわさなどがあるように。機械人間のサリもそうだった、彼はもう100年ほど機械人間としての生活を続けていた。
一方近頃普及した新型人間は、いつまでもいつまでも性能が落ちず、できる限り長持ちするようにつくられていた。サリはそれに憧れていた。
旧型でもある当の機械人間サリはのっそりと今日の働きをおえていた。今では街をいくのは新品のものばかり、サリは古い自分の体にコンプレックがあったが、ただひとつだけ自慢なところがあった。彼の胸元、オリジナルの製造番号とエンブレム。周りの人間より寿命は短いけれど、新型の機械人類は誰もが誰にでもなることができ、名前さえかえてしまえば、魂意外に識別方法があまりない未来の時代。彼にとってコンプレックスである朽ちる体と、そのエンブレムは彼のほこりだった。
絶滅危惧種的機械人間