Air mute

不安に煽られて
いつもより空が青く見えた
無性に苛ついて
昨日よりあの娘が馬鹿に見えた

雨が降る
僕から
色々なものが
流されていく

自分の世界に閉じこもるほど
息をしやすくて
知らない誰かにこじ開けられると
息が苦しくなった

焦燥に駆られて
いつもより信号が点滅していた
本性に気付いて
いつからかあの娘に執着しなくなった

風が吹く
街から
色々なものが
飛ばされていく

丈夫な殻に閉じこもったら
何も見えなくて
ふと自らそこから出て見渡しても
何も無いままだった

Air mute

Air mute

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-10-14

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