僕を止めないで

走り出した僕は決して誰も止められない
誰かが呼び止めたって振り返ることは無い
時間が無いから先を急がなければならない

青空が青いから自分の色を探してた
無個性なまっさらな僕を変えたかった

だから君に憧れたんだ 
真似をした だけど一向に
それは僕にならなかった

現実を悟った 大抵の夢は叶わない
いくら対抗してみたってあいつには敵わない
もう今更僕がここに居る必要は無い

焦った僕は紙にペンを走らせていた
全速力でのろまな僕自身をも走らせた

ただ 弱い僕を強くしたかった
必ず報われる努力をしたかった
達成による快感が欲しかった
自分による幸せが欲しかった

だから僕は走り出したんだ
吹っ切れた そして次第に
それは僕になり始めていた

僕を止めないで

僕を止めないで

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-10-14

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