地球最後の性別

 本来人間に備わっている古の個体の発生、生殖方法が失われてからもう100年になる。人間は進化の過程で単体で分裂し、無性生殖をするようになった。一節には人間はこの星の環境での進化の過程を全て終えたので進化できなくなったのだ、といわれているが今でもその謎はとけていない。
 地球最後の人間の性別は女性だった。いまでは生物は中性的なものととらえられているが、最後の女性はゾンビウイルスと戦っていた。ある時期、ゾンビが地上に蔓延し、最後に生き延びた女性は地下に逃げた、その時点ではその女性意外に人間は消え果てていた、女性は科学者だった、人間の遺伝子を耐えさせてはいけないと幾度となく実験をくりかえし、その過程で生殖方法を変えたのだった。
 今地上は再び浄化されはじめている、人間はゾンビと戦いながらも徐々に数を増やしつつある。その過程でまた再び人間に性別が生まれ、新しい強い人類が生まれるのではないかと期待されてはいるが、今の中性的な人間ではとてもゾンビと対等に戦うことはできない、全ては地球最後の女性の功績、その女性の残した古の知識と科学と兵器を使い、人間は徐々に数を回復しているにすぎない。

地球最後の性別

地球最後の性別

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-10-09

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted