友情ゲーム
校門のあたりに来るとおはよう、という声が飛び交っている。
「零!おはようー!!」
そう言って飛びついて来たのは俺の友達の紗倉 清也だ。
「おはよう」
「朝から会えるなんて今日はついてる
かも!もしくは運命かなぁ」
「清也、うるさい」
「酷いよ⁉︎」
少し変わってるけどいい奴だ。
こんな俺でも、仲良くしてくれる。
清也と教室へ向かった。二人とも1-Dだ。
教室に入りしばらくするとホームルームが始まる。また、いつもと変わらない一日が始まると思っていた。
しかし、そんな俺の考えはすぐに否定された。
「皆さん、初めまして。いきなりですが皆さんは友情ゲームの参加者に選ばれました。これから始めさせていただきます」
そう。一人の変な仮面の奴によって。
当然クラスの奴らは騒ぎ始めた。
先生はどうしたんだ、友情ゲームとは何か、何で俺たちなのか、などこの状況が理解出来て無いことがわかる質問ばかりだった。
無言で立っている俺もこの状況には戸惑っていた。
「と言っても会場はここではないので移動しましょうか」
皆不安ながらも男についていった。
学校からバスに乗せられ数時間たった頃ようやく停車した。
ここは、、、、、どっかのビルか?
「改めて詳しい説明をさせていただきます。何から聞きたいですか?」
男が尋ねると学級委員の男子が立ち上がった。
「xx様ですか」
なるほど、俺たちの名前は把握しているのか。
「ここはどこですか?」
「私達の実験の為に作られた施設です。」
実験の為に、、、
何かあっても大丈夫ということか。
その質問をきっかけにみんなが質問した。
たくさんあったがまとめると
学校からの協力があるから先生は学校にいる、選出は毎年いろんな学校から一クラスランダムに、仮面をつけた男の名前は翡翠、連れ去られた俺達は合宿中となっていること、などだ。
「俺も質問したい」
「零様ですか、何でしょう?」
俺はみんなが気になっているだろう質問をした。
「友情ゲームとは?」
みんなが息を飲む。
翡翠は雰囲気を変えずに、説明をさせていただきます、といった。
「まずは友情ゲームの意味から、このゲームは皆様の友情や信頼を試す為に行われています。楽しいイベントなどと思ってください。
何回かのゲームによって構成されています。ゲームの内容については一回ごと説明させていただきます」
友情を試す?理由は?
どんなゲームをするんだ?
今の説明だけでも新たに沢山の疑問が湧いた。
「質問は以上ですか?、、、それでは楽しい友情ゲームのはじまりです」
翡翠がそう言うと黒服の男達が動き出す。
「第一ステージはグループわけです。
皆様にはこれからの為に二人組になっていただきます」
これが第一ステージ?
これからの為ってことはこれからはグループ行動か、、
「組み合わせは自分が一番仲が良いと思っている方と一緒になるようお願いします。決まりましたら私の元へ」
友情をみるから一番仲が良い人か
それなら俺には一人しかいないな。
「清也、俺と組んでくれないか?」
「えっ良いの⁈やった!組む!」
「俺の方が頼んでいたのだが、、」
「だって、普段そんなこと言わないじゃん!」
俺は一番仲が良いのは清也だと思っている。普段は言わないけどな。
「べ、別に俺と仲が良い奴がお前しかいなかっただけだ‼︎」
「へぇ〜」
清也はニヤニヤしながらそう言った。
、、、ムカつくな
清也に腹パンをし、翡翠の所へ行く
「零様と清也様ですね。それでは扉からビルの中へ入ってください」
ビルの中は異様な内装だった。モニター以外の全てが白。
「まるで何もない病院にいるようだな」
「本当だ。ずっといると気が狂いそう」
その後もたくさんの組が部屋の中に入ってきた。
しばらくすると、どこからともなく翡翠の声が聞こえた。
「喧嘩してグループになれなかった
方々はここで脱落となります」
その言葉にみんながまたザワザワし出す。脱落、、、?
「そんなの聞いてねぇぞ!!」
脱落とされた奴らから怒号が聞こえた。
「そんなの言わずともわかるでしょう。これは友情を試すゲームですよ?」
翡翠の合図で怒鳴り声を上げていた連中が消えた。……消えた?
「おい、ちょっと待て。今の奴らはどこに行ったんだ?」
「脱落した皆様は他人部屋というところに案内させていただきます」
翡翠によると他人部屋というのは、脱落者が連れて行かれるいわばお仕置き部屋のようなものらしい。
友情ゲーム