蒼眼の竜少女

「私は私の生れをしりません」
「私は私のなすべきことをしりません」
「私は私の友をしりません」
吟遊詩人が語りだした。それはある小さな島の国で、鬼といわれた竜少女の物語だった。青い目の少女のうわさは小さな島のある国で、すぐさま全部に知れ渡った。
「私たちも知らない、けれど自ら知らないというものを信頼する事はできない」
少女はどこへいっても迫害された、村、街、そんな少女がたどり着いたのは、宗教だった。
「ここへいて身分を隠していればいいのね」
竜少女はいつしか大人になって、同胞たちが迎えに来た、彼女は竜の世界の女王だった、迎えに来た竜たちの姿をみて、教会に妙な噂がたち、取り壊され、神父はそこをさらなければならなくなった。神父は文句をいわなかった、ただこういった。
「迫害が迫害を呼ぶ、私の力が及ばなかったのです」
吟遊詩人は、冒頭と同じ詩を最後に唄った。

蒼眼の竜少女

蒼眼の竜少女

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-28

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