待ち続ける、やさしさで生き残る
短歌十首。
宿命のバスを降りる
冷めざめと泣くシェヘラザード 銃口の前
漆黒の夜
明日を置いていく
懐かしさが忘れることならば
やさしさで生き残るのは あなたのなかにあるものを知っていたから
さみしさのない夜は 遺してくれたものが遠くなったのだろうか
一つずつ夜を織り続けています
信じてくれたたったひとりへ
ふわふわっとおもいだす夜だけは
最期の顔 すこしわらってくれる
どこまでも夜で どこまでも朝
そんな日のわたしだけが生きられた
ただただ待っている
待ち続けている
ずるずるとわたしが遠くなる
なぜあなたがあなたであって
わたしがあなたではなかったのだろうか
生涯という暴力を跡に遺すわたしに花を手向ける
待ち続ける、やさしさで生き残る
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