勿忘勿離

いつも通り幼稚な文章ですが楽しんでいただけたら幸いです。

「「「「かんぱーい!」」」」
甲高い掛け声とともにグラス同士が当たる心地の良い音が鳴り響く。
パチパチパチパチ
乾杯後の拍手を終え各々好きなように席を移動し、好きなようにお酒を頼む。
「そういえばあれどうなったんだよ」
「あれ?…あーあれか!そうだなぁ…」
懐かしき話に花を咲かせ近状報告を行う。現在行われているのは同窓会。高校の友達に誘われ気まぐれで来てみた。が、やはりおれにとっては気持ちのいいものではない。参加したところで話すことができない。できることといえば近状報告をただ聞いているだけ。お、あいつ彼女できたのか!まぁすごくいいやつだもんなぁ。お、あいつは…へぇ公務員になったのかあいつがねぇ、、結構ヤンチャしてたくせに立派になって。あれは…なんだ元カノかよ。まぁ今見ると懐かしく感じるものだな。今でも良くおれに声かけてくれてるが、まぁもうあいつと付き合ってたのも昔の話だもんなぁ
「ねぇちょっといいかな?」
「え、おれ?」
元カノが話しかけたのは親友、、だったやつ。とてもいいやつでいつも一緒にいてくれたやつだな。あいつには本音で話し合えてたんだけどなぁ。あんなことがなければ。
「堺ってさ今何やってんの?」
「今?あー仕事?」
「そうそう!何やってんの?」
「おれは医者やってるよ」
「え、医者!すごい金持ちじゃん」
などなど他愛もない、ただの仲良し同士の会話を続ける。あいつらおれとあいつ、、梨深が付き合ってる時から仲よかったもんな。なんか梨深の目は結構ガチであいつを狙ってる感じの目だけど汗。まぁ堺も性格いいし、顔もそこそこ、頭良くて金持ちとくれば女なんて目を輝かせるよね。しかしあいつ医者かぁ。おれと最後に将来について話した時はまだ決まってないって言ってたのになりたいものになれてよかったな。
「ねぇこのあと暇?」
「飲み会終わったあと?暇だよ」
「じゃあこれ終わったらあの浜辺に行こうよ」


「いやぁ夜の海って気持ちいいね!風も気持ちいいし!」
「…」
「堺?」
「あ、あぁ悪い。そうだなすごくいい風だな」
梨深は何を考えてるんだ?さっき行き先を聞いて後ろからついて来てるのだが、ここはおれらの思い出の場所。しかもお前と何回もデートしに行った場所じゃないか。それだけでも気まずいだろうに…
「ねぇ覚えてる。私たちさここでいっぱいあそんだよね。」
「そうだなぁ。あの頃はすごい楽しかったなぁ。」
「…もう一回あの頃に戻れないかな」
梨深はすごく悲しい声でそういう。
「…あの頃と状況が違うんだよ…」
そう状況が違う。もうあの頃には戻れないんだよ。
「…なんでそんなこと言うの?この状況もお前が悪いんでしょ!」
「梨深…?」
え?この女何行ってんの?堺のせい?この状況が?
「私が悲しいのも今ここにあいつがいないのも全部全部お前が悪いんだよ!」
「……」
堺言え!お前は全く悪くない!早く!
「…すまんたしかにおれが悪かった」
堺!なんで!
「…やっぱり理解してたんだ。お前が悪いって。そうだよだから」
梨深がなにかを取り出す。月明かりに光るあれは
「わかってるなら今ここで私がお前を殺す!」
堺!逃げろ!なに呆然と突っ立ってるんだよ!おい!
「シネェェェ!」
やめろ!
キーーーン
俺が投げた石がナイフにあたりナイフをはじき出す。
「え?」
デ……ケ
「誰!?」
デテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケ
「い、いやぁァァァァァァァァァァァァ!!!」
梨深は顔に恐怖を浮かべ金切り声を上げその場から逃げていく。
「 」
堺は呆然としている。そりゃそうだよな同級生に殺されかけたんだもんな。
「ごめん」
え?
「ごめんな理玖。お前が今いないのは完璧に俺のせいだよな」
そんなことない!俺が今死んでるのも全部俺が悪いんだよ!

高3の夏俺ら2人でこの浜に遊びに来て俺はそこで命を落とした。離岸流に捕まってテンパって俺は溺れた。そこには不運なことに俺らしかおらず堺が助けを呼んで来た時には俺は死んでいた。で、気づいたら俺は霊体として存在?してた。
「俺の助けを呼ぶのが早かったらお前を助けられたのに」
いや俺はお前にたくさん助けられて来たよ。あの海の時だけじゃなく、日常でも。だから今度は俺がお前を守る。俺かお前がいなくなくなるまで

勿忘勿離

勿忘勿離

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-18

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