わたしだけの

哀しい明日が
窓の隙間から雨風に乗って
わたしへぽつと降りそそぎます
あおい液晶をタップすると
ばかげた言葉のあれやこれやは
きっとわたしと
わたしの大切な誰かを
鈍く傷つけるのでしょう

たった5mgのしろい粒は
あらゆるものを誤魔化します
みどりの季節は
静かに
息を引きとった
眠りこけた
あなたのまぶたの
くろい瞳に
指を這わせます
押し潰してしまおうかと
もう泣かずに済むように

正しさと引き換えに
わたしのために
わたしだけの

わたしだけの

わたしだけの

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted