ある大学生の彼女たちの日常
パピコは今日、怒っていた。
プンプンと癇癪を起こし、周りに歪を撒き散らしながら、
ずんずんと我が道を進んでいた。もちろん、
そんな様子を周りが快く思う訳もなく、始終何処かで
彼女の陰口が囁かれ続けていた。
そんな彼女も、昼頃にはやっと機嫌を取り戻したようで、
へらへらと笑いながら、数少ない気の合う彼女の友人達数人と、
談笑を始めていた。
友人は、左端から名前をA子B子、C子といった。
パピコは眉間に皺を寄せながら、神妙な面持ちで言った。
「彼氏がさぁ、浮気しやがってぇ。」
周りは皆、「へぇ。」とか、「えぇ、マジでぇ?」とか、
素っ気ない、曖昧な返事を返す。
パピコは構わず、「超、うざくなーい。」と、
口先を尖らせながらぼやく。ふぅん。
友人らはつまらなさそうに、携帯をいじっている。
かろうじて、会話が耳に入っているような状態だ。
こんなので、彼女たちは本当に楽しいのかと思うのだが、
別段問題はないらしい。
彼女達は、楽しいのだ。個々人が独自の世界で楽しんでいる為、
何の問題もないのだ。パピコの友人の一人が、言った。
「そんなん、別れればいぃじゃ~ん。」「えぇ~。」
友人とパピコは、そう言ってゲラゲラと笑う。
無邪気な、乱暴で軽率な隙のない笑顔である。
それから彼女達は、何の変哲もない会話を楽しんだ後、
各々が各々の思うが儘の道を辿り、家路についた。
友人の1人は適当にその時放映されていた番組を視聴し、
パピコは帰宅後すぐにお風呂でシャワーを浴びた後、
疲れていたので、寝た。
これが、ある日のある大学生の彼女達の、日常。
ある大学生の彼女たちの日常