幻想植物
その植物は腹から生える。人の人生の丁度いいときに、ある人間が道をあるいていたら生えた。ある人間は眠っていたら生えた。ある人間は寝返りをしたら生えて来た。花は咲かない、種子はなくて何度も同じ実がでる。植物が教えるのは、何かにまよったとき、頼れる答えは自分から生まれてくることだけだ、人を疑っても自分を疑っても、自分の中にしか自分を表現する手段はない。その植物は、あるサーカス団の七不思議のひとつだが、これをどこかで読む人のために、この話にタイトルをつけて拡散しよう。私はそのお話に救われた、いつまでたっても、空中ブランコの師匠の言っていた言葉の深みと重みに耐えきれない、そういうとき、私は私を信じる事にした、この話によって、この話のおかげで、だから、これでだれかもこれで救われますように。
幻想植物