あなたに心臓を握りつぶされる。
あなたは、私に言う。
「俺がいないと生きていけないようにしてやる。」
初めて会った時、つまんで投げ返した。
初めて体を重ねた日、チクッと刺さった。
初めて突き放された日、重くのしかかった。
誰のことも信じたくない。
誰のことも頼りたくない。
そんな私だったのに。
あなたが駆け引きをするから、
転がされたの。
吸い込まれるような瞳。
タバコと石鹸の混じった匂い。
少しチクッとする髭。
私の頰を撫でる大きな手。
思い出そうとしなくても、体が全部を覚えてる。
ねぇ。
人に背負わせた言葉には責任を持ちなさい。
なぜ、死んだの。
あなたがいなければ、私も死ぬしかないじゃない。
待ってて。
あなたに心臓を握りつぶされる。