顔ゑション
冬の間しか知らなかったあなたは
夏の顔を見せる前に私の前から去っていった
顔を天に突き出して綿雪を浴びるあなたは知っていても
アブラゼミの喧しいベンチで横になるあなたは知らない
ベッドに染み付いたあなたの体温は知っていても
湿気に汗ばんだあなたの匂いは知らない
どこへ行けばあなたに会えるのだろう
どこへ行けばあなたと話せるのだろう
私もまだ雪解けの顔を見せていないのに
顔ゑション
冬の間しか知らなかったあなたは
夏の顔を見せる前に私の前から去っていった
顔を天に突き出して綿雪を浴びるあなたは知っていても
アブラゼミの喧しいベンチで横になるあなたは知らない
ベッドに染み付いたあなたの体温は知っていても
湿気に汗ばんだあなたの匂いは知らない
どこへ行けばあなたに会えるのだろう
どこへ行けばあなたと話せるのだろう
私もまだ雪解けの顔を見せていないのに
顔ゑション