またなにかをあきらめました

またなにかをあきらめました

短歌十首。

   



   



   

  



   



   



 



公園ではわたしたちがわたしたちの不確かさを日没にみる




遊んでいる子どもたち

ぼくがぼくだけの不安を こぼしつづける




長く

わすれたいぼくが 終わってくれる陽に 出会っている




この人生はわすれがたいものだけが確かで車の列にいる




一日ずつ

弔う

骨が近くなる

骨のためだけに生きている




今日も生きました

夕空 きれいでした

またなにかをあきらめました




変わらない予兆 読んでいる

きっと今日も誰かたちは引きちぎれて




きれいな夢をみた眠り

また

死んでゆきながら

なおも

焦がれながら




いつかの夢は

いま たなびく緑のなか

細々とわたしを削る




夕暮れ いま なつかしい橙色の階段

名前 三回書く
   



   



   

  



   



   



 

またなにかをあきらめました

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またなにかをあきらめました

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-10

Copyrighted
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