またなにかをあきらめました
短歌十首。
公園ではわたしたちがわたしたちの不確かさを日没にみる
遊んでいる子どもたち
ぼくがぼくだけの不安を こぼしつづける
長く
車
列
わすれたいぼくが 終わってくれる陽に 出会っている
この人生はわすれがたいものだけが確かで車の列にいる
一日ずつ
弔う
骨が近くなる
骨のためだけに生きている
今日も生きました
夕空 きれいでした
またなにかをあきらめました
変わらない予兆 読んでいる
きっと今日も誰かたちは引きちぎれて
きれいな夢をみた眠り
また
死んでゆきながら
なおも
焦がれながら
いつかの夢は
いま たなびく緑のなか
細々とわたしを削る
夕暮れ いま なつかしい橙色の階段
名前 三回書く
またなにかをあきらめました
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