白い独り
短歌十首。
夕凪の詩は淡く
残りの煙草を今夜の思いに取っておく
さみしくなかったら
あの人は
遠く
さみしいなら
あの人は
深く
春眠の色は水色で
スプリンクラーが弾く 遠い日の空
深く生きる日 捨てていく
かなしみ 遠くなる
白い独りが見える
あれはなんだったのか
待つ
待っている
待ちわびて
千年 砂になる
いつか
かなしみさえも
落としてしまう
夕空はいつもだまっている
帰る日がある
朝焼けのない雲の空も
たとえ生きられなくても
ただ一日ずつを置いていく
一日ごとをなんにも知らないまま
あの朝
消えたまま
この夕刻たち
知らせてくれず
聴こえていますか
生きるのか
音色は一瞬で
生きるのか
音色は
いつも やさしすぎて
白い独り
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