ゴーストのライターのゴーストライター。

※↓すべてフィクションです、


 ゴーストライターのゴーストライター。
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 今日の書き手は、アラムです、私が体験したシュールレアリズムな話をひとつ。
 オカルトマニアの皆さまへ、朗報です、ゴーストライターなゴーストライターが実在しました。昨年世間を騒がせたゴーストのライター騒動を覚えていらっしゃいますか?連日のようにテレビで報道されました。一度悪人と思われた人間は、これでもか、というほどの集中的な避難を浴びるのが常、もはや人間の卑しさのほうが、幽霊よりも怖い、と、そんな事はおいておいて、話しをします。

 昨年有名になったA氏、幽霊に関する記事をかき、霊感商法だの、別の意味でのゴーストライターだの、妙な噂になっていた彼ですが、僕は、彼について、今年はじめまで、一年かけてずっと取材や、周辺情報を調べ、入念に調査をつづけてきました、それは自分が本にできればいい、と考えていた部分もあるのですが、彼の書く記事が本当だったら、という、どこか希望的観測もあったのです。彼は我々のように、メルマガを配信し、会員からお金を集める事によって、ライターとしての肩書を持って、ある程度社会的に認められる地位にありました。有名大学を出ている事もあり、彼の肩書に違和感をもつものは、昨年まで現れなかった、それがオカルト的内容だという事が分かったのが昨年の事でした。

 特に昨年、テレビでとりあげられていたのが、“幽霊にインタビューをする”という記事でした。そして、そんなオカルト記事でお金を取るのはどうなんだ、と彼が集中砲火をあびたのですが、それはある時期、彼がタレント活動をしていたから、という面もありました。
 ですが、ここからが私の話です、実際彼はそのメルマガに関わっていなかった、むしろ、内容はある人間に丸投げしていた、というのが、私が彼の所属する事務所や担当マネージャー、その周辺人物から、探り当てた情報です、くわしく話すと長くなりますが、このメルマガは第一弾として。“ゴーストライターのゴーストライター”というタイトル自体の伏線を回収しようと考えています。

 昨年話題になった、ゴーストのライター、A氏ですが。ぶっちゃけた話をすると、あのメルマガ自体は彼は一切かかわっておらず、ある人物が、彼の代わりにゴーストライター、件ゴーストのライター、をしていたのです。昼の帯番組、ゆるゆる、で火消をしていたコメンテーターのB氏です、あのタレントは、彼と3年来の親交があり、丁度2年ほど前、冗談まじりに彼にメルマガをやってみないか、と提案したのですが、彼があまりに面倒だというので、彼がライターをやるようになりました。それから、ふとしたきっかけで彼等は不仲になるのですが、メルマガの継続は、契約書まで書いていたものだったので、B氏は次第に好き勝手かくようになりました。メルマガ内容が怪しくなったのが、昨年この件が取りざたされ始めた8月ごろからです。

 ですが、一番恐ろしいのは、この件に踊らされていたテレビ局と視聴者だと思うのです。だれもこの件を知らず、ただ彼を責めただけでこの話が終わってしまう、それどころか、彼の事を覚えていることも、彼をせめていた人々はすでにこの件に興味を失っている。

 それも含めて今回の“怖い話”という事にしておきたいと思います。

ゴーストのライターのゴーストライター。

ゴーストのライターのゴーストライター。

怖い話。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-08

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