School The Battlefield
また一人、戦友を失った。
響き渡るのは散った戦士の叫びのみ。
くそっどうすればいいんだ
そう言って俺は悩んだ。また奴らが追ってくる。春渡は校舎の中へ入り階段の影に隠れた。
「チッ、このままじゃ埒があかねぇ。俺は行くぜ」
そう言って春渡立ち去ろうとした。
「一人では危険だよ。少し落ち着こうよ」
小林が止めに入った。しかし、春渡は行こうとするのをやめない。彼は昔から一度決めたことはやりとげる人だった。
「今行かなければ負けは見えてるんだ!」
それでも小林は危険だと思っていた。
「とにかく、一人でいくのは絶対だめだよ。だから僕も行こう」
目標は玄関の少し前、下駄箱の奥。
その刹那、チャンスは訪れた。
春渡は床を蹴り、勢いよく飛び出した。
「うおおぉぉぉ!!」
まず春渡が突進していき奴らをおびきだす。
そして奴らとぶつかる瞬間
「いまだ!小林、後は任せた!」
小林は反対側の下駄箱の影から飛び出た。奴らの驚く顔がちらりと見えた。
目標まであと三歩、二歩、一歩
瞬間
甲高い音が地に響き渡り
白い天井を赤く染めた。
その場を静寂が包み込む。
「よっしゃーー!!」
僕は思わず叫んだ。奴らに勝ったんだ!!
「あーあ……初めて負けちまったよ」
奴らは誰に言うでもなく呟いた。
床にはトマトジュースの空き缶ひとつ。
要するに、僕たちは缶けりをしていたのだ。
これはそういう物語
School The Battlefield
最後のオチはいかがでしたか?
少しでもハラハラ要素で楽しんでいただけると幸いです。
誤字多し