幽霊販売所
初めてこのサイトへ書き込みをします。こんにちは、20代前半、地方済みの大学生です、突然ですが、近頃ネット上で話題になっている “幽霊販売所” 昨今全国の駅前のトイレに毎年夏に設置されるようになった、と主にこのサイトで噂されている、都市伝説をご存知ですか?その存在について、私も最近、友人から教えられました。だからまだ、私自身詳しいというわけではありませんが、なんでもその販売所では、幽霊に直接出会えるという(チケット)を購入して、数時間、本物の幽霊に脅かしてもらえる事ができるという、背筋が凍るような体験ができるものだといい、このサイトでも評判です。そのひんやりとした体験は、大げさですが、熱中症も吹き飛ぶほどといわれています。といっても私自信、あまり幽霊のようなものも、オカルトのようなものを信じていない、というか敬遠していたくちなのですが、実際に思い立って経験してみると、この都市伝説だけは別物だと思いました。私も私が実際に購入して、幽霊とお話するまで、まさか、とは思っていたのですが……。ともかく、この話を一度聞いてみてください、幽霊にたいしても、商売にたいしても、色々な価値観が変わると思います。
私が販売所を利用したのは最近のことでした、今年の夏は、あまりにも暑苦しい日がつづき、おまけに雨が降ったあとのべとべとした熱帯夜は、寝苦しいばかりではなく生活や、仕事に必要な作業さえおっくうに感じる事さえありました。外が一番あついのはそうだとは思いますが、室内のあの気持ち悪さはとても、不快感にさいなまれ、不機嫌になる事があります。
そんな時でした、私が思わぬ行動にでたのは、異常な暑さに耐え切れず、家の中にいてもいらいらしていて。一か月ほどまえから、友人からきいた当サイトとオカルト掲示板にもよく立ち寄るようになっていました。そしてついに私はネットサーフィンでぶちあたったオカルトサイトにて件の“幽霊販売所”のうわさを目にし、人生で初めて都市伝説というものを実践してみようと思いました。私の場合、そんな風に、突然この夏の不快感を動機として都市伝説を試してみようと思い立ったのですですから、私と同じような人には試してみるのもいいと思います。まあ、いくら不快といって、オカルトに走り、それを実践する人はまれだと思いますが……。
―—※販売所は異空間にあるといわれています、販売所を呼び出す方法については後述します。その手段はあまりにばかばかしいのであとで確認して笑ってください。実践は自己責任でよろしくお願いします。——
毎日の暑さや、オカルトサイトの掲示板やコメント欄を読みふけることにも飽きていたある日、深夜のこと、ひどく行動的になった私は、私の家近くの駅のトイレで鏡に向き合い、“幽霊販売所でチケットを買う”という都市伝説。それを実践しました―—ぼんやりと鏡の中に、煙のに包まれた一室の中、立ち尽くす異様な姿の販売員と、幽霊販売所という立て看板のある部屋が写り、販売所は確かに現れました、丑の刻のタイミングです、その異次元へつながるのは、それから15分ほどが限度といいます。ですから足早に、というより、早めに要件をすますため早口で話しましたーー
「私に幽霊をうってください」
「はあ、どんな姿がよろしいですか?」
「男性で!!」
「顔の好みはありますか?」
「イケメンで!!あ、あれ……どういうこと?」
ばかばかしいことですが、幽霊のタイプまで選べてしまいました、対価は実際の通貨です、あるいは驚いたのですが電子通貨もつかえます。幽霊たちの世界も、ICT化がすすんでいるのでしょうか?驚きました。売人の姿はまるでーー 映画や小説、漫画にでてくるような、若干サブカルテイストなポップさはありましたが、浴衣をきていたもののの※女性かな?、グロテスクな見た目をしておられたので ―—イケメン、という質問や、その後のしつこいほどの細かい質問に若干辟易しながら、何とか私は、その“幽霊販売所”で買い物をすます事に成功したのでした。
私はチケットを渡されました、それは幽霊に出会う体験をするための、一時間のチケットでした、面白い事にはそこには“教訓”という項目があり、それは確かに販売員との会話の中で事細かに私が答えた内容になっていました、それは大きくわけて三つの項目です。“場所” “第一発見者” “落ち”
私の項目についてすべてを話す事は、幽霊の世界や、販売所の事情もあるでしょうし、あまりくわしくしゃべり散らかしたくはないので控えますが、例を書き込んでみます。
たとえば私の場合、この夏に、肝試しに廃墟という場所を選びました。今住んでいる場所からも近く、大学から距離のある場所です。第一発見者は、恋人、利用者は二人でしたので彼にしました。落ちについては、幽霊がすすり泣く声をきいて、その廃墟にあるといわれる“いわく”に関連するものを感じ、同情してハッピーエンドです、申し訳ない事をした、という事によって真夏の若気の至り、のようなものを反省する、それが“教訓”のセット内容でした。
これはあくまで一例です、実際は少し違います。私はこのチケットを利用し、今の恋人とともに、この夏一番の思い出を作る事ができました、恋人は大喜びでしたし、幽霊が本当に姿をあらわしたときには、本当に、心の真から寒さを感じられました、販売店いわく、寒くなる工夫、それには独自の工夫があるという話でしたが、くわしくわかりません、いわば4dの映画のようなものでしょうか?。私に言えるのは、この文章を読んだ方に、できるだけ多くの人に」、この都市伝説をためしていただきたいという事だけです、SNSにそのことを報告していました。ハッシュタグでしらべれば、いつか私の恋人を探しだせるかもしれませんね。
私は、この経験から、この夏に感じていた暑さ、けだるさ、不満、不快感を、いっそうする事ができました、ですから1000円近くしましたが、全然大きな出費ではなかったと思います。本当に素敵な夏になりました。ただ……。
ただ一つ不満があるとすれば……このチケット、実際に購入される、購入役の方には注意が必要だと思います。幽霊がいつ現れ、どんなことをして、どんな落ちが待っているか、チケットにすべて書かれているために、全てをしっている私にとっては、少しの寒さを感じられたものの、ネタバレをされた映画をみたような肩透かしのようなつまらなさがありました、ですから、幽霊販売所を今度利用しようとしておられる皆さん、購入者はほとんど、全てをしっていても、肩透かしのような感覚を感じようとも、ネタバレ済みの映画を見る事に耐えられるような、誰かを喜ばせよう、というの心の広いかたが購入するのがいいです。完全に貧乏です。
最後に購入の方法ですが、100円均一で売っているやすものの口紅を持ち、どこかしらの駅のトイレの鏡の中で、三回、幽霊販売所、と鏡に向かってかく“つもり”になってください、実際に書いた場合、一生幽霊販売所を利用する事はできません、それはコンプライアンス違反という事で、幽霊にもしっかりとした社会や、社会通念がある事をはじめて知りました、そして、そういえば、私の購入した幽霊は、自分のことを“ゴーストアクター125番”と呼んでおられたので、つまり、そういう事でしょう、彼等はそれで生活しているのだと思います。
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