泣き顔

□×○
□side

好きな人の泣き顔が堪らなく好きだ。
きっと俺の性癖なんだろうけど、愛しい人が俺のために泣くなんてそれ以上の興奮材料なんてあるのだろうか。
そんな俺をそっちのけで目の前で泣いている恋人

「こやまの、 こやまのばかぁっ...」

俺を見つめる目から大粒の涙を零しながら弱い力で俺の服を握る恋人、シゲは
俺が仕事優先で最近構ってあげられなかったことに相当ご立腹。
以前、先にベッドで眠るシゲの顔を覗き込んだら涙の跡があったのを思い出せば、
何で俺の前で泣いてくれないのかという気持ちと同時に寂しくさせてしまったことへの申し訳なさも生まれ
その日は抱き締めて寝たのを覚えている。

「ごめんね、シゲちゃん。お願いだからそんなに泣かないで?」

嘘、本当はもっと泣き顔を見せてほしい。
ただここでそんなことを言って愛想を尽かされてしまっては一大事だ。

「ばか、ばかぁ...」

「何でもしてあげる、暫くは休みだしたくさん構ってあげるから泣き止んで?」

「ほんとに?何でもしてくれるの?たくさん構ってくれんの?」

「もちろん、何でもするよ」

「じゃあちゅーして、いっぱい」

泣き顔でキスをせがまれるとは思っていなかった
キスだけで足りるとは思えない。
忙しい間、一人寂しく慰めていた俺のモノも緩く勃ち始めていた。

「シゲちゃん、」

「なに、こやま」

「止められなかったらごめんね」

「え...?」


長い夜になったか、キスだけで終わったか。
その先は貴方に任せます。

泣き顔

泣き顔

  • 小説
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2018-08-27

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