観覧席からの宇宙

観覧席からの宇宙

宇宙創成の観覧席に座り、星々の生死を眺める大劇場の人生模様は天地に流れる生命の気であった。
御心の成せる天と地は礼讃し人間技ではなく面白おかしい人と人の情熱の機微で精緻な御音となった。この設形構造のひたむきな情熱の中に人と人は何をして生きて生かされるというのか。
不可思議に流れる音と映像が生まれる産声の轟く地球の軌動の統一よ。私はどこまで人間らしくなり、生命はどこまで生命らしくなり、人類至上最も完全なメロディーを奏でるのでしょう。私の人格を高めていく無限の生き方は色とりどりの心の持ち様になぞらえられ、あなたはいってしまったのか。いいえ、私がいってしまったのです。
強く感動するこの感情は義理人情の恩に溢れる。人間は生命の血しぶきに体の温度が青空を超越して、我はここに存在し生命の生死の感情に泣き叫ぶ産声の彼方に、生命の受精卵を現して人が人をやめて始めるのです。
宇宙の観覧席から眺め生命の意味とその表現方法を理解する時、人は儚く葉っぱのようにひらひらと舞い散りゆくその彼方に赤ちゃんの産声が生まれた。そこに私しかいないその空しさに、人間は生きて死んでただそれだけの空しいことをして意味なんてあるのでしょうか。
しかし人生には生きる意味があると信じてメシア到来のミサの鐘を鳴らした。あの時のあのメシアは怒っていたのではなく、私に優しく微笑み喜んでいたのです。
私が初めて人間になる時、神の生命倫理とはこのような赤ちゃんの産声となったのか。
この世界は生命の原初状態へとたった一つに統一されて、命のあるままに人の幸せとは何かを知り、宇宙の観覧席に座る私に1つの光の啓示を指先にぱっと与えた。
神の御言葉を伝える宇宙に、新次元の幼児の産声は誕生した。その遠く彼方にこれで人生は夢を叶える事ができるのだわ。
私が観察する今宇宙の生成される新物質。人間が未だ感覚できない深い知識の無限の物質よ。私達人間に生きる啓示を与えてぽっと神の生命の有り処を知らせる。
そうなのです。時間と空間は究極の状態に統一されて、宇宙の創成が至上完全なるメシアの人間体の、この美しい手の形状により新しく誰も想像できなかった事を今しているのです。
こんな記憶の赤ちゃんの産声が響く彼方に、その生命は憧れの気持ちを乗せて原初状態まで遡り、彼方におられる新世界のメシアから光と言葉を授けられた。
ああ、新しく生命はふわっと死に消滅する。
私は粒子の最小単位の中に本当の心の有り方を体験する。この人生でしか語られる事のなかった赤ちゃんの初体験の産声に、人間の初音の心とはここまで美しかったという真実を教えられた。
この世界に一人の人間は恍惚として燦然と輝く星空を見渡し、あの方はなぜあんなに優しくしてくれたのかしらとふと思い返すのです。
人間としての道理をわきまえて、神の啓示通りに全宇宙はおおらかにメシアの到来を告げている。
あの御方の無限の心模様に近づき、今私は初めて人ではなくなり赤ちゃんの産声となって、生命の初めの原子運動を始めたのです。
あなた、この宇宙に一つの原子が独自の動きを初めて実行した時、私はまた一つ二つと脱身していき、メシアが降誕したこの赤ちゃんの産声を聞いて初めて愛を知ったのです。
メシアは1つの真理を無限の観念の深き沁みわたった真実の中に統一的な見解を示している。
やっと神の領域にたどり着いた受精卵の成熟した御光と御言葉は赤ちゃんの心と体の真理を知る。やっと神の子が人間になったのだわ。
これで自信を持って言えます。宇宙に1つの生命が1つのオーラをお持ちになったと、こうして今幼児は生きているのです。
この神の啓示の意味にこんな優しくてやわらかい粒子がふんわり飛んでいたなんて。私はこれ程までに今を生きている事実に、初めて受精卵の一つの一拍目のリズムを体得したのでしょう。
生命は1つの原子構造になり、1つの原子は1つの心で1つになる。そして今光を感じ生きている真実があった。さあ、これから夢を持って生きていこうと強く感じたのです。
赤ちゃんが私の存在に気づきじっと見つめて産声をあげる、そのやわらかい手はそっと無意識の中に無感覚で指し伸ばす。私の感知機能は正常に立位して、この手のほのかな温かさを全身で感じた。
神よ、あなたは私を見捨てはしなかった。ここにここに確かに生きていたのです。それを感覚しただけでも人生は全て良かったのではないか。私は宇宙の観覧席で全てを救われていたのです。
何という美しきメシアの宇宙は創成紀の愛の次元を迎えた。何もかも些細な事はどうでも良くなったこの気持ち、こんなにも全てが邂逅しているのです。
人生の与えられた全宇宙の広さに、とてつもなく大きな精神のあり方を知り、神の啓示の1つの意味とその意識の中に、1人の人間の存在とは一体何の意味があるのかと、その何かがわかり初めた時、この宇宙は澄み渡りはじめておぎゃあと赤ちゃんは泣いているのではないか。
生まれて初めて泣いて生きている不思議に、ふと人間が邂逅した事を実感して、宇宙の無限の広さの彼方に、赤ちゃんが産声をあげて泣いていたのです。
私は1つの生命になったのです。
こうして1つの人生になったのです。私は神とは何なのかがやっとわかったのです。

観覧席からの宇宙

観覧席からの宇宙

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-26

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